配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
静電選別は、基本的に分離対象となる固体表面の電気伝導性の差を利用して選別を行う手法であるが、その性質上、環境の変化、特に環境中の湿度に影響を受けやすく、日本のようなそれの高い地域では分離精度が高くないため採用されることが少なかった。本法は、この弱点を解消するために、静電選別の前処理として界面活性剤および電解質水溶液による2段階処理を加えて、湿度の高い環境下においても高い分離性を実現するために開発されたものである。本研究では、まずこの手法の理論の実現性を実験によって確認し,次に(1)界面活性剤処理による粒子表面の選択的疎水化,(2)電解質水溶液噴霧による電気伝導性賦与の各段階における各種境界条件を明確にした.条件としては,(1)では,界面活性剤の種類・濃度,処理後の乾燥条件等,(2)では,電解質水溶液の種類と濃度,噴霧の際のアトマイザと試料の各種位置条件,試料量,試料表面の水分率などである.また,本手法の実用化に向けては,(1)の段階で界面活性剤を噴霧することが必要と思われたので,その可能性についても実験的に確認した. 本前処理によって粒子表面の性質がどのように変化したかを正確に把握するため,各種粒子の静電選別挙動のシミュレーションを試みた.シミュレーションに当たっては,まずロール型静電選別機の電界を電荷重畳法を用いて正確に模擬し,その中での粒子挙動を,重力,遠心力,摩擦力,静電気力および空気効力を考慮した.この結果を各種導電性粒子について実験的に検証した結果,静電電極の各種配置条件および印加電圧に対して良好な一致を示した.なお,一般に静電電別では静電電極とコロナ電極が併用されるが,このシミュレーションでは前者のみを使用した場合を想定している.
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