研究課題/領域番号 |
09460009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60134798)
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研究分担者 |
武岡 洋治 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70023455)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 維管束鞘 / 金コロイド / 細胞融合 / C_3植物 / C_4植物 / 走査型電子顕微鏡 / 免疫電子顕微鏡 / 葉緑体 / 反射電子像 |
研究概要 |
ヒユ科C_3植物のCelosia cristataとC_4植物のAmaranthus tricolorのプロトプラスト融合を行い、雑種植物の作出を試みた。しかし雑種カルスまでは作出できたが、植物体の再生には至らなかった。雑種細胞の微細構造を観察したところ、液胞内にオルガネラが取り込まれて分解される自己消化が多数認められ、細胞内で激しい不和合性反応が起こっていることが明らかになった。このことより、C_3植物とC_4植物は光合成機構ばかりでなく、基本的な代謝機構において大きな隔たりがあることが示唆された。アルカリ処理により細胞内容物を消化除去した試料を走査型電子顕微鏡で観察し、C_3植物とC_4植物における維管束鞘細胞の細胞壁微細構造を比較した。原形質連絡の形状や密度には、C_3植物とC_4植物との間で明確な差異は認められず、C_3植物においても、維管束鞘と葉肉細胞との間で活発なsymplasticな物質輸送が起こっていることが示唆された。イネ(C_3植物)の葉身を切り出し外部からショ糖を与えたところ、伸長中の葉身では維管束鞘葉緑体に多量のデンプンが蓄積したが、葉身展開後はほとんど蓄積せず、維管束鞘細胞のsinkとしての機能は齢によって変化することが明らかになった。反射電子像観察装置を取り付けた走査型電子顕微鏡を用いることによって、走査型電子顕微鏡レベルでの金コロイド免疫電子顕微鏡観察法を確立した。さらに凍結割断法を組み入れることにより、葉緑体内部のラメラ構造やミトコンドリア内部のクリステを観察することが可能となった。これまでの研究成果や文献を総括し、C_3植物とC_4植物の間の本質的な違いは遺伝子発現の制御機構にあることを考察し、さらにC_3植物からC_4植物が進化した過程について提案した。
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