配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
芽上変異の発生機構とそれらの識別のための基礎資料を得ることを目的として,リンゴ枝変わりの着色系統についてアントシアニン生成の特性に着目し、その元の品種との違いについて検討した。また,それら系統の識別方法について,遺伝子解析の技術を応用することについて検討し,主に以下の結果を得た。 1.'つがる'の着色系を用いて,アントシアニン生成と温度および光質との関係について検討した。その結果,着色系は,紫外光を含まない光でも,また,より低い光エネルギーでもより多くのアントシアニンを生成する特性を持っていることが明らかとなった。これらの着色系のアントシアニンを含むフラボノイド類について分析した結果,枝変わり品種では、アントシアニンを含むフラボノイド類は果実の幼果期、成熟期ともに'つがる'よりも高い値を示した。この結果から、これらの枝変わりではフラボノイド代謝全体が活性化しているものと推測された。この結果は,これらの着色系において見いだされた,アントシアニン生成時の高いPAL活性に関連しているものと考えられた。 2.AFLP法を用いて,品種および'ふじ'の枝変わり系統の識別について検討した。その結果,AFLP法は品種およびそれらの交配親の推定にも有効であることが分かった。また, 'ふじ'と枝変わり系統の識別も可能であることが示唆されたが,この点については再現性等についてさらに検討することが必要であると考えられた。 3.リンゴゲノム内にMITE(Miniature inverted-repeat transposable element)型トランスポゾンを見いだし,これをMajinと命名した.Majinは153bpからなり,リンゴの他,ナシおよびそれらの野生種にハプロイドゲノム当たり約6千コピー存在していた.そこで,Majinの内部配列をプライマーとしたDNAフィンガープリント技術を開発し このゲノム上に高度に散在するMITEを用いたゲノム解析法が,リンゴ枝変わり品種の識別に活用できる可能性を明らかにした。
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