配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
Ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase(Rubisco)はCO_2固定を担う酵素であると共に植物葉の全窒素の30%を占め,極めて多量に存在する特異なタンパク質である.それ故,Rubiscoの葉における分解は,光合成機能と窒素の再利用(リサイクル)の両面に深く関わっている。しかしその分解の分子機構は、ほとんど分かっていない。申請者は、まず葉の老化に伴うRubisco分解について生理学的立場から解析Rubiscoが葉からの全転流窒素の40%を占めること、葉の老化の初、中期においては葉緑体内で分解されること、そしてシンクによる分解の制御を受けること等を明らかにしてきた。そして、本特定領域研究においては、とくに葉緑体内における分解の分子機構に注目し、Rubiscoの大サブユニット(53kDa)が葉緑体およびその破砕液において光照射下で37kDaと16kDaのペプチドヘと部位特異的に断片化されることを見いだした。そして断片化には活性酸素が関与することを明らかにした(Ishida et al.,1997,1998、)。また、その切断は、触媒部位を構成するいわゆるループ6のGly329の近傍で起きることを明らかにした。以上より、Rubisco大サブユニットは、活性化のためのMg-binding siteに結合したFe^<2+>とCO_2 (O_2)のbinding siteに結合したH_2O_2から、いわゆるFenton反応によりヒドロキシルラジカルが生じ、それがGly-329或いはその両端を攻撃し切断に至らしめると推察した(Ishida et al.,1999)。また、葉緑体ストローマ酵素のGS2も光照射下の葉緑体およびその破砕液中でRubiscoと同様に部位特異的に断片化されることを明らかにした。
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