研究課題/領域番号 |
09460084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
若林 久嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011932)
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研究分担者 |
横山 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70261956)
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20092174)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 異物 / 取り込み / 排除 / 皮膚 / マイクロインジェリー / マクロファージ / 胞子虫 / 蛍光標識 / グルゲア胞子 / 損傷 / レクチン |
研究概要 |
1. 無機異物として蛍光ラテックスビーズの懸濁液にニジマス稚魚を浸漬した後、体表(皮膚、鰭)、脾臓、および腎臓の組織切片を光顕および電顕で経時的に観察した。その結果、体表面でのビーズの付着は微細損傷部(マイクロインジェリー)に限られること、付着ビーズの大部分は壊死細胞とともに離脱するが一部は損傷を修復する遊走性上皮細胞に貧食されたり、修復細胞の間隙に閉じこめられること、その後その一部は周囲の上皮の分裂とともに最外層から離脱すること、真皮内のビーズは最終的にはマクロファージが貧食し、一部は表皮に遊走して上皮細胞にビーズを受け渡し、その上皮細胞とともに離脱していくこと、しかし一部は脾臓や腎臓に集まること、などが明らかとなった。 2. 生物異物の挙動を追跡するために蛍光標識技術を開発した。すなわち、微胞子虫の場合はUvitex2B、放線胞子虫の場合はCFSEが標識として有効で、それらの最適条件を標準化した。微胞子虫は魚体表面のマイクロインジェリーから受動的に取り込まれ、放線胞子虫は体表や鰓から積極的に侵入することが示唆された。また、蛍光カルシウム指示薬fura-2AMによる測定により微胞子虫も放線胞子虫も過酸化水素や魚体表粘液の刺激により極糸を弾出する過程で、胞子の細胞内カルシウム量が上昇することが分かった。 3. G.plecoglossi胞子はConAに反応性をもち、胞子をConAで処理することによって胞子刺激に対するアユ頭腎マクロファージのレスピラトリバースト量が減少すること、マクロファージの胞子貧食率が低下すること、さらにアユに対する実験感染において感染率が低下することが分かった。すなわち、マクロファージの胞子貧食にはレクチン反応性糖タンパクの認識が重要な役割を果たしており、この認識を遮断したことによってマクロファージの胞子貧食が妨げられ、胞子の体内移動が阻止されたと考察された。
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