研究課題/領域番号 |
09460085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中田 英昭 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60114584)
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研究分担者 |
笠井 亮秀 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80263127)
木村 伸吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90202043)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 中規模海洋変動 / 小型浮魚類 / 仔稚魚 / 黒潮・親潮移行域 / 黒潮フロント / 生物生産 / 加入量変動 / 初期減耗 |
研究概要 |
本研究では、黒潮・親潮移行域を主な対象として、イワシ類など小型浮魚類の加入量変動に重要なかかわりを持つと考えられる中規模海洋変動、とくに黒潮フロントの擾乱に伴ってその縁辺域に発生する低気圧性の前線渦が、生物生産や仔稚魚の成長・生残に及ぼす影響を明らかにしようとした。1999年度は、これまで黒潮続流フロント域や遠州灘沖の黒潮フロント域で行った前線渦の集中観測の結果を総合的に解析し、黒潮フロントの北縁に広がる黒潮系の暖水城は生物生産が高く、カタクチイワシなどの仔魚の成長や生残に潜在的に好適な条件を提供していること、その生物生産の高さには前線渦の発生に伴う下層の栄養塩の湧昇が多大の貢献をしていることを明らかにした。黒潮系水や親潮系水では、黒潮系暖水域に比ぺて仔魚の成長遠度が遅く、黒潮系水では餌料密度の低さ、親潮系水では低水温がその要困となっているものと推察された。また、このような前線渦近傍の生物生産過程を、生態系の数値モデルによって再現した。 一方、前線渦付近の流れは、仔稚魚を渦域に水平的に引き込みその縁辺に集積させる働きをしており、栄養塩の湧昇による餌料生物生産の増大と相まって、このような前線渦との遭遇の有無が、黒潮および黒潮続流域における仔稚魚の生き残りの程度を大きく左右している可能性があることを指摘した。 以上の研究成果を、lCES J.Mar.Sci.などに論文として印刷公表するとともに、日本水産学会、日本海洋学会、水産海洋学会や、いくつかの国際シンポジウムで口頭発表を行った。
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