配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
本研究は,耕うんロボットなどの自動化農業機械の移動の制約であるほ場内畦の乗り越えあるいは傾斜地での移動を容易に行なえると考えられる歩行型機構に着目しその可能性を検討し,将来の新たな農用車両開発における基礎資料を得るものである.以下に実施した項目を列挙する.1.歩行装置の基本性能の現状調査と分析:これまでに不整地走行用として開発された各種車両や歩行機械について文献資料等により可能性と問題点を分析し,パンタグラフ機構を利用し,1足あたり3自由度とし,車両重量および制御の点で有利な4足歩行脚による静歩行を選択した.2.脚ならびに車両模型の製作:車両荷重の見積り,動力源の所要トルク,脚の軌跡と静力学的な力の作用状況を検討し,製作する脚部の設計を行った.その結果,1足あたりの各自由度ごとにユニット構造を採用することとし小型の歩行型模型車両を製作した.また,歩行脚機構の基礎的な性能,機械諸元の検討とともに問題点を見出し改良試作を行った.3.制御系の検討:作業目標として平地での基本歩行対象に4足歩行を実現する制御プログラムを開発した.改良車両においては,歩行速度は約0.23cm/sで直進歩行可能であった.環境に対応して歩行パターンを適宜変化させるための準備として,車両の各脚に作用する分担荷重ならびに車両本体の傾斜の実時間計測のためのセンサを試作車両に設置し,基本直進歩行時の荷重分布と傾斜角の変化を計測可能とするとともに,横歩行および旋回歩行についても実験を行ない資料を収集した.4.周辺環境の認識ならびに障害物の特定に関する基礎的実験:超音波センサを利用した距離情報計測系を試作し,その検出性能を調べるとともに各種問題点を明らかにした.またステレオ画像法による障害物の検出についても実験的に処理性能を明らかにした.5.研究の総括:歩行車両の実用化を考えた課題や問題点を考察整理した.
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