配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
|
研究概要 |
本研究は,食品中に混入する異物の検出に最も有効な手段である軟X線技術を使った異物検出法の確立を目的に行ったものである.異物検出への軟X線の利用として,透過軟X線と画像解析の組合わせ,X線CT,透過および反射X線スペクトルを取り上げ,その基本特性ならびに応用展開技術について究明し,軟X線CTの開発を行った. (1)軟X線とX線I.Iを組合わせることにより,極めて密度差の小さい異物を,ある程度鮮明に捕らえることが可能になった.(2)X線CTは情報量も豊富であるが,食品用としては装置価格が高い欠点がある.現行のX線CTで画像再構成を行う際に生じるCTの基本構造に由来するシステムエラーの解明を行い,システム分解能の範囲であっても,CT像は食品中の異物を正確に認識できなくなる場合のあることを明らかにした.同時に,異物の大きさがX線CTの認識限界以下であっても,異物と食品のみかけ上のX線吸収量が異なれば,検出可能であることを示した.これらの結果から,安価で精度の高い食品専用の軟X線CTシステムの開発の可能性を示唆した.(3)X線計測にスペクトル解析の概念を導入し,食品中の異物検出を試みた.軟質な材質,薄いもの、微細なものに感度の高い軟X線領域での計測をCdTeセンサおよびSi-PINセンサを組合わせて行い,透過および反射した軟X線のスペクトル解析を行った.その結果,食品および異物に吸収されるX線の透過および反射スペクトルの計測を可能にしたばかりでなく,エネルギレベルごとのX線吸収ピークの違い,ピークの移動などの計測技術を確立した.これらの技術は異物の検出,異物の種類の特定,さらに異物の構成元素をも特定可能にするものであり,より高精度のX線計測システムの構築が可能になった.(4)マイクロフォーカスシステムを使った軟X線CTを試作した.CT化のためのステージ部は,Y-θの2軸駆動方式でYは上下250mm,θは360°で任意に移動が可能であるように設計し.CT化のための撮影プロジェクション数は500で構築したソフトウエアでCT像に再構成した結果.精度の高いCT像が得られた.
|