研究課題/領域番号 |
09460128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 宇都宮大学 (1998-1999) 神戸大学 (1997) |
研究代表者 |
菅原 邦生 (1998-1999) 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
長谷川 信 (1997) 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60107985)
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研究分担者 |
古瀬 充宏 九州大学, 農学部, 教授 (30209176)
長谷川 信 神戸大学, 農学部, 教授 (60107985)
加野 浩一郎 神戸大学, 農学部, 助手 (80271039)
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1) / 摂食調節因子 / 脳室内投与 / 睡眠様行動 / 飲水調節 / 脳内微小透析法 / 鶏脳GLP-1受容体 / 鶏GLP-1抗体 / グルカゴン様ペプチド-1 / エキセンディン(9-39) / 視床下部モノアミン / 視床下部FOS様蛋白質 / 摂食調節ホルモン / 鶏小腸GLP-1 / 摂食阻害中枢機構 / 鶏GLP-1 |
研究概要 |
得られた結果を要約すると次の通りである。 1.GLP-1は、鶏において食欲増進条件下で極めて強い摂食抑制作用を有することを示すと共に、GLP-1とニューロペプチドYとの間で相互作用が存在することを推察した。 2.GLP-1のN-末端断片の中枢投与による幼雛の摂食抑制効果を検討した結果、何れの断片も摂食に対する効果を示さなかったことから、GLP-1のC末端アミノ酸は中枢における摂食調節活性に対する重要な役割を持つことが示唆された。 3.哺乳類のGLP-1(7-36)アミドのN-末端のヒスチジンをチロシンで置換したGLP-1を脳内に注入し、鶏の摂食を抑制するか否かを検討した結果、チロシン置換GLP-1の脳室内投与は鶏の摂食を抑制したが、その効果は哺乳類のGLP-1(7-36)アミドに比べ、11から13倍弱かった。これらのことから、GLP-1(7-36)アミドのN-末端ヒスチジンが効果に関して重要であるが生物活性には不可欠でないことが示竣された。 4.哺乳類のGLP-1受容体の特異的阻害剤であるエキセンディン(9-39)が幼雛の摂食量を変化させるか否かを検討した結果、何れのレベルにおいても摂食量に影響を及ぼさなかったことから、エキセンディン(9-39)が鶏のGLP-1受容体の阻害剤として働くには、そのアミノ酸配列の修飾が必要と結論づけられた。 5.GLP-1による摂食抑制効果発現への内因性オピオイドの関与を明らかにする目的で、オピオイドのアンタゴニストであるナロキソンを用いて艀化直後の雛の摂食量を調べた結果、雛の側脳室に投与したGLP-1による摂食抑制効果に対し、腹腔内に投与したナロキソンは影響を示さなかった。このことから、雛におけるGLP-1の摂食抑制効果に対し、内因性オピオイドが関連している可能性は低いことが示唆された。 6.投与レベル0.03及び0.1μgにおいて、雛の睡眠横行動を引き起こすことが認められことから、中枢神経系におけるGLP-1は雛の睡眠を誘発する因子の1つであること可能性が示唆された。 7.飲水処理の有無に関わらず、GLP-1は雛の1時間当たりの飲水量を減少させたが、その効果は脱水処理で著しかった。これらのことから、孵化直後の雛においては中枢におけるGLP-1が飲水量の調節因子の一つである可能性が示唆された。 8.鶏GLP-1をマウス腹腔内に投与し顕著な血清抗体価の上昇を認めており、現在このマウスの脾臓細胞とマウスミエローマ細胞を用い鶏GLP-1に特異的な単クローン抗体を作製中である。
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