配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
我々は,門脈―肝臓領域に存在するNa^+受容器に関し,以下の報告を行ってきた。 1.この領域のNa^+濃度が増加すると,コリン作動性神経を介し腸管でのNa^+吸収が抑制され,腎交感神経を介し腎臓からのNa^+排泄が増加する。 2.この応答はNa^+特異的であり,浸透圧に反応したものではない。 3.このNa^+受容機構を介する体液恒常性維持機構は,日常の摂食のような生理的状態でのNa^+バランス維持に重要な役割を果たしており,肝臓除神経すると,高食塩食負荷に対するNa^+排泄が遅延する。 4.また,肝硬変ではNa^+受容機構の感度が低下し,この病態での体液維持機構破綻の原因となっている。 以上のように,門脈―肝臓領域Na^+受容器の求心路,遠心路,効果器等についての報告を行ってきたが,その受容機構および中枢機構については不明である。したがって,本研究はこの2点を明らかにするために行い,以下の結果を得た。 1.肝臓のNa^+感受性神経は延髄および視床下部の自律神経および体液向上性維持に関与する中枢に投射する。 2.門脈―肝臓領域Na^+受容機構にブメタナイド感受性Na^+K^+2Cl^-共輸送体が関与している。また,ブメタナイド感受性Na^+K^+2Cl^-共輸送体は,門脈―肝臓領域のK^+濃度感知にも関わっており,肝門脈内のK^+濃度が増加すると腎臓からのK^+排泄が増加する。
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