研究課題/領域番号 |
09470043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山村 博平 神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究分担者 |
高野 智子 神戸大学, 医学部, 助手 (30226807)
定 清直 神戸大学, 医学部, 助手 (10273765)
柳 茂 神戸大学, 医学部, 助手 (60252003)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1997年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / Syk / 肝臓細胞 / 神経系 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / チロシン燐酸化 / 血管 / 平滑筋細胞 / ZAP-70 / 神経成長円錐 |
研究概要 |
1. ラット脳および脱血処理した肝臓より、Sykの抗体と交差性を示し、類似の酵素学的性質を示す蛋白質チロシンキナーゼを完全精製し、部分アミノ酸配列を分析した結果、この酵素はSykと全く同一であった。 2. ラット肝臓の免疫組織染色の結果、Sykは脳および肝実質の細胞質画分に検出され、高感度RT-PCR Northern解析の結果、肝臓においてSykは脾臓の約3-5%程度の発現が確かめられた。 3. ラット肝細胞由来の2種類の細胞株でSykが発現しており、酸化ストレスなどの刺激によりSykの急速な活性化および自己リン酸化が認められた。 4. 胚性癌細胞由来の細胞株p19を神経細胞へと分化誘導させることにより、Sykのチロシンリン酸化が誘導され、神経細胞におけるSykの機能が示唆された。 5. 血管内皮細胞および血管平滑筋細胞においてもSykの発現が確かめられ、アンギオテンシンIIや様々な生理的リガンド刺激によりSykの急速な活性化が認められた。 6. 腎臓の繊維芽細胞にも高いSykの発現が観察された。 これらの結果より、血球系特異的シグナル分子と考えられたSykは、非血球系組織に広汎に分布していることが明らかとなった。今後、さらにSykの役割を神経系と脈管系に注目し、Sykのノックアウトマウスを中心に解析していきたい。また血球系細胞における各種ストレスによるSykの活性化についても興味ある知見を得たが、神経系におけるSykとの関係を調べて行く上に貴重な結果であると考えている。
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