配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
近年,多くの標的遺伝子破壊マウスが作出されているが,その中にはヒトの疾患モデルとして有用なものが少なくない。最近,CCAAT/enhancer-binding protein(C/EBP)ファミリーと呼ばれる転写調節因子群に属する因子の標的遺伝子破壊マウスが広範な肝機能障害を示すことが明らかになってきた。同遺伝子ファミリー各メンバーの標的破壊マウスにおける病態の解析およびその治療法の検討を目的として,報告者らが従来より研究を行ってきたアンモニア解毒系のオルニチンサイクル酵素遺伝子の発現異常の解析を行った。(1)C/EBPα遺伝子標的破壊マウスの病態の解析-従来C/EBPα標的破壊マウスは,肝臓における糖新生系酵素の発現不全に由来する低血糖により,出生後数時間で死亡することが報告されていたが,これに加え,同マウスは肝臓のオルニチンサイクル酵素の発現不全から高アンモニア血症を呈することを明らかにした。現在,グルココルチコイドおよびcAMP投与によりC/EBPβ等を誘導することによりC/EBPα欠損を補償しうるか否かを検討中である。また,オルニチンサイクルの最後の酵素であるアルギナーゼの唾液腺における発現が障害されているか否かを調べ,肝臓における障害の臓器特異性を検討中である。(2)C/EBPβ標的破壊マウスにおけるオルニチンサイクル酵素遺伝子のホルモン応答性の障害の解析―C/EBPβ標的破壊マウスの初代培養肝細胞において,オルニチンサイクルの2つの酵素遺伝子のグルココルチコイドおよびグルカゴンによる誘導がほぼ完全に消失していることを明らかにした。現在,個体レベルでグルココルチコイドおよびグルカゴンの効果が増強される絶食時において,オルニチンサイクル酵素の誘導に障害が見られるか否かを検討中である。
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