研究課題/領域番号 |
09470056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
落合 淳志 国立がんセンター研究所, 支所・臨床腫瘍病理部, 部長 (60183034)
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研究分担者 |
金井 弥栄 国立がんセンター研究所, 支所・臨床腫瘍病理部, 室長 (00260315)
中西 浩幸 (中西 幸浩) 国立がんセンター研究所, 支所・臨床腫瘍病理部, 主任研究官 (10260316)
坂元 亨宇 国立がんセンター研究所, 支所・臨床病理部, 部長 (40221270)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | βカテニン / 増殖因子受容体 / シグナル伝達 / 細胞接着分子 / がん浸潤 / チロシンリン酸化 / 細胞接着因子 |
研究概要 |
がん浸潤におけるβカテニン-増殖因子受容体間結合とシグナル伝達機構を明らかにする目的で、βカテニンにおける増殖因子受容体との物理的結合部位を明らかにすると同時に、実際のがん組織を用いて、βカテニンを介した増殖因子受容体かたのシグナル伝達機構の臨床的意義を検討した。本研究において以下のことが明らかになった。 1.ヒトがん細胞を用いた検討により増殖因子刺激によりβカテニンがチロシンリン酸化されることが示された。また、ヒトがん細胞においても、細胞間の解離した低分化がんならびに浸潤先進部でβカテニンが強くチロシンリン酸化されていることが示された。 2.βカテニンの増殖因子受容体との結合部位を同定を試み、βカテニンの中央に存在するアルマジロ反復配列の12番目の反復配列と結合することが明らかとなった。同部位は上皮増殖因子による刺激でリン酸化されることにより、増殖因子受容体からのβカテニンへのシグナル伝達機構が存在することが明らかになった。 3.βカテニンの増殖因子受容体との結合部位のチロシンリン酸化ペプチドを用いて、βカテニンチロシンリン酸化抗体を作製した。本チロシンリン酸化抗体を用いた検討により、増殖因子受容体からのシグナル伝達機構はβカテニンをチロシンリン酸化し、βカテニンとαカテニンとの結合を解離させることによりカドヘリン細胞接着機構の阻害を来していることが示された。 4.実際のヒトがん組織を免疫組織化学的に検討すると、ヒト大腸がんの浸潤先進部においてがん細胞ががん腺管から解離し浸潤する部位で強くβカテニンのチロシンリン酸化が認められていることが示され、実際のがん浸潤に増殖因子受容体-βカテニンシグナル伝達機構が重要な役割を果たしていることが示された。
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