研究課題/領域番号 |
09470060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
片桐 一 旭川医科大学, 副学長 (10041823)
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研究分担者 |
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90280867)
佐藤 啓介 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10250549)
木村 昭治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00250548)
青木 直子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60301983)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | HLA分子 / HLA分子結合ペプチド / 疾病感受性 / アリル特異的結合モチーフ / 疾患感受性 |
研究概要 |
HLA分子の特徴の一つである著明な多型性は、特定の疾患の発症と相関を有ている。HLA分子には、それぞれの多型性に対応する特徴あるアミノ酸配列のぺプチドが結合し、そしてこのHLA・ぺプチド結合体がぺプチド特異的にT細胞を活性化する。HLAと相関を有する疾患の発症には、HLA分子とぺプチドとの結合性が関わっている可能性がある。これらの疾患についてHLA 分子、ぺプチド、T細胞の相互作用を解析し、疾患発症に関わるぺプチドを明らかにし、ぺプチドによる病態制御を検討した。まず、日本人に高頻度にみられ、疾患の発症と相関を有するHLA-DR4、HLA-DR9 又はHLA-DR53 分子に結合するぺプチドのアリル特異的アミノ酸配列(モチーフ)を決定した。ついで、白樺花粉症、Vogt―小柳―原田病(原田氏病)及びインスリン依存性糖尿病は(IDDM)等の自己免疫疾患、悪性黒色腫の腫瘍免疫に関わるぺプチドについて解析した。1.白樺花粉症はHLA-DR9と相関し、そして17kDa花粉抗原が主要な病因抗原であった。この17kDaフラグメントの3ヵ所にHLA-DR9拘束性T細胞エピトープが認められ、そしてそれらの部位のアミノ酸配列にHLA-DR9モチーフが存在していた。HLA-DR9を有さない患者で認められたフラグメント上のT細胞エピトープには、HLA-DQ1結合モチーフが存在していた。2.原田氏病はHLA-DR4と相関する。患者リンパ球を活性化するメラニン合成に関わるTyrosinaseぺプチドが明らかにされ、そこにはHLA-DR4結合モチーフが存在していた。3.ヒトIDDMのモデルマウスNODの膵島炎、糖尿病発症にMHCクラスII分子IーA^<g7>が関わっている。Glutanic acid decarboxylase 65(GAD65)のぺプチドはIーA^<g7>分子を介してT細胞を活性化した。そしてぺプチド群を投与されNODマウスでは、膵島炎の発生が抑制された。4.Tyrosinaseはメラノーマ抗原であり、このN末端側ぺプチドはHLA-DR15拘束性に患者リンパ球を活性化した。これらの研究は、病態の分子機構一端を明らかにし、将来のぺプチド療法の基盤となるものと思われる。
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