研究課題/領域番号 |
09470063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 潤二 大阪大学, 医学部, 教授 (50163407)
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研究分担者 |
大石 一人 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60273702)
小林 和人 奈良先端大, 遺伝子教育研究センター, 助教授 (90211903)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1998年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1997年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | GPIアンカー / 組織特異的遺伝子破壊 / Cre / loxp / Pig-a / 致死性 / loxP |
研究概要 |
グリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)は、真核細胞膜に広く分布する糖脂質であり、GPI-アンカー型膜蛋白を細胞膜表面につなぎ止めるための必須の構造である。哺乳動物細胞においてGPI-アンカー型蛋白は、細胞膜蛋白の微量成分である。哺乳動物細胞の培養系においてGPl-アンカー型蛋白欠損は、なんら細胞の増殖あるいは形態に関し影響を与えていない。しかし、遺伝子破壊マウスの実験結果によりGPI-アンカー欠損は致死性でありマウス個体発生において、GPI-アンカー型蛋白が必須の役割を果たしていることが明らかにされつつある。本研究は、組織特異的に遺伝子破壊ができるCre/loxPを利用しマウス個体発生における種々の器官形成あるいは特定の細胞におけるGPIアンカー型蛋白の役割を明らかにした。 1) Tリンパ球におけるGPIアンカー型蛋白の役割の検討。 GPIアンカーはTリンパ球の機能に対して必須ではないことがin vitro,in vivoの実験で明らかになった。 2) GPIアンカー欠損個体の検討。発生のどの段階で致死かがわからなかったので、Piga-loxPマウスとhCMV-Creマウスを交配して検討した。hCMV-Creマウスは、着床以前よりCreが発現しているといわれている。GPIアンカー完全欠損マウスは胎生8日で個体発生がストップした。一方、約半分の組織でGPIアンカーが欠損する雌個体では発生がもっと進むが、頭部神経管不全によるオープンブレイン状態と上部口蓋形成不全がみられた。 3) 表皮におけるGPIアンカー型蛋白の役割の検討。ケラチンK5プロモーターは表皮基底細胞特異的な発現を規定する。そのプロモーター領域15kbをクローニングし、そのプロモーターの下流にCreを接続したコンストラクトを構築しトランスジェニックマウス(K5-Cre)を作成しPiga-loxPマウスと交配した。交配したマウスにおいて、皮膚特異的にターゲット遺伝子であるPig-aに遺伝子破壊が認められ、しかも皮膚の角化異常が認められた。その角化異常は、脂質の再構成に起因することが明らかになった。
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