研究課題/領域番号 |
09470122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
安田 年博 群馬大学, 医学部, 助教授 (80175645)
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研究分担者 |
中島 たみ子 群馬大学, 医学部, 助手 (40008561)
竹下 治男 群馬大学, 医学部, 講師 (90292599)
岸 紘一郎 群馬大学, 医学部, 教授 (30169841)
細見 修 群馬大学, 医学部, 助手 (30134274)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 個人識別 / 性犯罪 / 精液 / デオキシリボ核酸分解酵素 / 遺伝的多型 / 分子生物学 / 人類遺伝学 / 遺伝マーカー / 血液型 / DNA型 / 遺伝子 / cDNA構造 |
研究概要 |
1.従前の研究により、我々はヒトデオキシリボ核酸分解酵素(DNaseII)が精液中に存在する遺伝マーカーであることを発見した。今回、ヒトDNaseIIの完全長cDNAおよび遺伝子のクローニングに成功し、その構造を決定した。さらにその遺伝子は第19染色体短腕13.2-13.1領域に位置することを明らかにした。なお、本研究で明らかにされたヒトDNaseII cDNAおよび遺伝子は脊椎動物DNaseIIについて初めて報告された知見であった。2.DNaseIIは活性強度に関する遺伝的多型を示す数少ない酵素の一つであるが、今回その分子論的基盤を確立した。その多型はDNaseII遺伝子の近位プロモーター領域に位置するsingle nucleotide polymorphismに基づく転写活性の変動に起因することが明らかとなった。3.ヒトDNaseIIは成熟型としてheterotrimeric構造を示し、さらに成熟型への変換には固有のsignal peptide、N-glycosylationおよび特定部位におけるcleavageが必須であることを明らかにした。4.DNaseI多型について、新規な対立遺伝子DNASEI^*5および^*6を発見し、その表原型が21種類に分類可能となった。その結果、DNaseI多型の個人識別能がさらに向上した。特に6型酵素は不安定で寿命の短い分子種であった。5.DNaseI多型がコーカソイドおよびニグロイド集団にも認められ、その多型がworld-wideなものであることが明らかとなった。さらに日本人集団においてその対立遺伝子頻度に地理的勾配が見出された。6.STR多型としてHumTOPおよびHumLPLについて個人識別への適用に必須な集団遺伝学的基盤が確立できた。 今回得られた研究成果から、DNaseIおよびIIは精液からの有用な個人識別マーカーになることが判明した。
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