配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子RNAの3'末端側98塩基を含むHCVの全長遺伝子cDNAをトランスフェクション・インフェクション法によってヒト肝実質細胞由来不死化培養細胞(IMY細胞)へ導入し,細胞内でのHCV遺伝子の複製とHCVビリオンの形成過程について検討を行った。蛍光抗体法によってHCV遺伝子にコードされているすべての蛋白質が発現していることが確認され,しかもHCVRNAとその増殖中間体であるマイナス鎖HCVRNAが存在することも確認された培養細胞を検討対象とした。透過電子顕微鏡では細胞質の無構造基質領域に30-35nmの電子密度の高いウイルスコア様粒子が存在し,拡張した小胞体様構造物の内腔には50-60nmのウイルス様粒子とその出芽像が観察された。ウイルス特異抗体を用いた金コロイド免疫電子顕微鏡法によって,前者はHCVコア粒子であり,後者はHCVビリオンであることが明らかとなった。この細胞の培養上清のショ糖密度勾配遠心分画試料では,HCVRNA含有量が最大の比重1.12-1.15g/mlの分画試料中に抗HCVエンベロープ抗体と反応する55-65nmのHCV粒子が存在するこを金コロイド免疫電子顕微鏡法で確認することができた。以上の免疫超微形態学的研究成果は,HCV全長遺伝子のcDNAをトランスフェクション・インフェクション法で導入されたヒト肝実質細胞由来不死化培養細胞では,HCV遺伝子の複製が確実に進行し,細胞質内でウイルスコア粒子が形成され,それが小胞体膜の外套を被って小胞体腔内へ,出芽し,ビリオンが完成するというHCVのウイルス粒子形成過程を強く示唆するものであった。
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