研究課題/領域番号 |
09470141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
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研究分担者 |
遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40191928)
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10165128)
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ムチン遺伝子 / 胃前癌病変 / 腸上皮化生 / 腸型胃癌 / バレット食道 / 分子機構解析 |
研究概要 |
1) 新しいムチン抗原A3D4については、蛋白レベルでの発現が、正常胃粘膜、胃炎に伴う腸上皮化生には全く認められず、胃癌近傍の腸上皮化生と癌に限局していることから、本抗原の診断的有用性を明らかにすることを目的に、多数の早期胃癌の内視鏡生検組織について発現を検討した。その結果、本抗原は胃腺腫、とくに腸型腺腫にほぼ100%発現し、その近傍の腸上皮生にも高率に発現することを明らかにした。また、慢性胃炎に伴う腸上皮化生の約20%において、腺底部にきわめて弱い発現を認めた。これらの結果は、A3D4抗原が腸型胃癌のハイリスクグループを検出するのに役立つ可能性を示唆しており、今後ルーチンの上部消化器癌内視鏡検査への応用を予定している。 2) MUC2ムチンは、正常胃粘膜には発現しないが、これまでの検討で、腸上皮化生以外に再生上皮でも発現することを明らかにした。胃癌の一部は慢性胃炎にみられる再生上皮から発生する可能性も示唆されており、胃癌の背景粘膜についてさらに検討を加えている。MUC2ムチンコア蛋白上に発現されるとされるスルホシアリルLewis Aを認識するモノクローナル抗体91.9Hを用いて、腸上皮化生と類似するバレット食道および食道腺癌での発現を検討した。その結果、バレット食道腺癌発生との関連性が示唆された。 3) ゲノム不安定性については、引き続き数種のマイクロサテライト領域について、胃癌近傍の腸上皮化生およびそれ以外の背景粘膜についてPCR法により検討を行い、低頻度ではあるが胃癌および胃腺腫の背景粘膜において陽性例を見い出しており、さらに検討を重ねている。
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