研究課題/領域番号 |
09470150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
糸山 泰人 東北大学, 医学部, 教授 (30136428)
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研究分担者 |
藤原 一男 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70280873)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 脱髄疾患 / MRI / 運動誘発電位 / 4-アミノビリジン / バルボB19ウイルス / Devic病 / multiple sclerosis / optic-spinal form / anti-nuclear antibody / ANCA / myelitis / anti-thyraid antibody / anti-thyroid antibody |
研究概要 |
視神経脊髄型多発性硬化症(OSMS)との臨床疫学的特徴およびその病態の解析を目的とする。(1)MSの臨床像の解析:1970年以降に発症した86例における急性横断性脊髄炎(ATM)の割合を検討したところ近年ATMを合併するMSは減少していた。一方、通常型MSの割合は増加傾向にあった。この傾向は患者の出生年で解析しても同様であった。日本人の生活環境の変化がこの病像の変化をもたらしたものと考えられる。また欧米で多くのMS症例にみられる脳幹・小脳の症候及びMRI病変について66症例において解析したところ、脳幹・小脳症候は43例(65%)、OSMSは14例(21%)にみられた。種々の脳幹・小脳症候がみられたが三叉神経及び顔面神経症候が比較的多かった。小脳症候は20例(30%)にみられた。MRIで最も著名な所見は小脳半球病変がみられたのは4例(6.4%)のみであったことである。これは欧米の報告(50〜90%)より有意に低い値であり、日本人MSの特徴と思われる。(2)痙性対麻痺を主徴とする6例のOSMSに対して運動誘発電位(MEP)を測定し,脱髄神経のカリウムチャンネルを阻害して伝導を改善する4-アミノピリジン(4-AP)を静注投与し,投与前後でのMEP所見の変化を解析したところ、投与後にMEPの振幅が有意に増加し、潜時のばらつきは有意に減少した。4-APによってより多くの筋繊維が同時に収縮し、筋力が改善したものと思われる。(3)パルボB19ウイルス(PVB19)は自己免疫との関連が注目されており、MS患者における血清やCSFのPVB19の抗体値やPVB19DNAの有無を検討した。MS患者では健常成人より抗PVB19IgG抗体保有率が高かった(66%vs40%)が、血清抗PVB19IgM抗体やCSF中のPVB19DNAはMSの再発時でも全例陰性だった。この結果はMS患者は高頻度にPVB19に感染しているが、MSの再発時に活動性のPVB19感染はみられないことを示唆している。
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