研究課題/領域番号 |
09470154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 教授 (40161062)
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研究分担者 |
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
坂口 末廣 長崎大学, 医学部, 講師 (60274635)
調 漸 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (40264220)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | プリオン病 / プリオン蛋白 / 蛋白蛋白相互作用 / ペプチド / 発症遅延 / ファージディスプレイ / ノックアウトマウス / 神経細胞死 / 発症予防 / ペプチドライブラリ / 遺伝子改変マウス / ニューロン / グリア / プリオン / 遺伝子改変動物 / プルキンエ細胞 / アストロサイト / 脱髄 / 軸索 |
研究概要 |
プリオン病病態の本体はPrP^C→PrP^<Sc>変換であり、この変換の分子機構が解明されその制御が可能となればプリオン病の予防・治療に展望を開くことになる。本研究においては先ず、独自に樹立したプリオン蛋白(PrP)欠損マウス(Ngsk Pmp^<0/0>)の脳組織で異所性に発現するPrP類似蛋白(PrPLP)をコードする新規遺伝子を発見した。大腸菌でリコンビナントPrPLPを発現させ、それを家兎に免疫することにより特異抗体を得た。この抗体を用いた免疫沈降法により発現ベクターをトランスフェクトしたA293T細胞中に分子量約18kilodaltonのPrPLPを検出した。次に、PrPLPがPrPと高い類似性を示すことより、両者の相互作用について、免疫共沈法と光学バイオセンサー(IAsys)を用いて検討した結果、PrPLPとPrPとの物理的会合を証明することが出来た。PrPLPはPrPの生理的制御分子である可能性が考えられる。さらに、ランダムペプチド・ファージライブラリ(12mer)より得たリコンビナントPrP(121-231)への結合活性を有するファージの塩基配列に基づいて合成したペプチド(12P1)が、PrPへの高親和性結合能を有するとともに、試験管内で用量依存性にプロテネースK抵抗性PrP^<Sc>量を減少させることが判明した。このことはペプチドの結合によりPrP^<Sc>の立体構造変化が惹起されプロテネースK抵抗性が変容したものと考えられる。12P1がPrP^<Sc>蓄積の抑制を介してプリオン病の発症を遅延させうる可能性も考えられる。以上の成果はPrP^C→PrP^<Sc>変換の分子機構の解明あるいはその制御法の開発へ展望を拓くものといえる。
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