研究課題/領域番号 |
09470165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
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研究分担者 |
野澤 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
野田 俊之 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (00262759)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 可溶性Fas / 可溶性Fasリガンド / オンコーシス / TUNEL陽性心筋細胞 / 心不全の予後 / アポトーシス / 心不全 / 可溶性Fas-ligand / TNF-α / Interleukin-6 |
研究概要 |
1) Fasのsplicingにより生ずる可溶性Fas(sFas)はFasとFas-ligand(Fas-L)またはsFas-Lとの結合をブロックすることによりアポトーシスを抑制する。plasma sFas-Lは心不全において正常範囲であったが、plasma sFasは疾患によらず、NYHA II、III、IVにおいて上昇し、上昇の程度はNYHA IVにおいて最大であった。 以上より、plasma sFasは心不全の程度に応じて上昇する。この上昇するsFasはアポトーシスの抑制を通じて、心不全の進行をブロックする要因として重要かもしれない。 2) アポトーシスが心不全の進展に関与するとすれば、アポトーシスの抑制は心不全の予後を改善するはずである。この仮説が正しいとすれば、血漿sFasが高い心不全患者では正常群と比較しFas-Fas-L系を介したアポトーシスの抑制により予後は良好であるはずである。 そこで、NYHA分類IV度の重症慢性心不全患者31例(CAD:12、DCM:9、VHD:10)を対象に、血漿sFas高値群(最初のsFas濃度>3.7ng/mL;6.3±0.4ng/mL)と正常群(sFas濃度<3.7ng/mL;3.O±0.2ng/mL)に分け、1年間followした。その結果、治療内容に有意の差はないにもかかわらず、6カ月後、1年後の生存率はsFas高値群(68%、64%)で正常群(14%、11%)より明らかに良好であった(p<0.01)。 3) 心不全でみられるTUNEL陽性心筋細胞はアポトーシスではなく、肥大した核を持つ生存心筋細胞であることを示した。さらに、梗塞心でみられるいわゆるTUNEL陽性梗塞心筋細胞はアポトーシスではなく、オンコーシスであることを示した。一方、陳旧性心筋梗塞でみられる間質の細胞の消失はアポトーシスによることを明らかにした。したがって、心不全時における心筋細胞のアポトーシスの検索には新しいマーカーの開発が必要である。
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