研究課題/領域番号 |
09470174
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
|
研究分担者 |
一守 康史 東海大学, 医学部, 講師 (60184636)
石田 英之 東海大学, 医学部, 講師 (20222424)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 一酸化窒素 / スーパーオキサイド / パーオキシナイトライト / NO合成酵素 / 細胞障害 / 脳虚血 / エンドトキシンショック / ニトロチロシン |
研究概要 |
1. 種々の病態における3種のNO合成酵素(nNOS、iNOS、eNOS)の電子伝達様式の解明 NOS内の還元酵素領域におけるNADPHによるフラピンの還元は3種の酵素で大きな相違はないが、還元酵素領域から酸化酵素領域への酵素内電子伝達速度は3種3様である。通常状態の還元速度はbNOSが最も速いが、実質的NO生成速度はiNOSが最も速い。bNOSは、生成したNOが強く結合してニトロシルヘムを生成することにより自己抑制をかける。この成果の一部は、“Synthesis and Evaluation of New Sulffer Containing L-Arginine Derived Inhibitors of Inducible Nitric Oxide Synthase"としてJ Medicinal Chemに投稿中である。 2. 動物実験モデル (1) 分離心筋を用いたモデル NOの純粋な供与体により心筋細胞のshorteningおよび[Ca^<2+>]I transientは、著しく増大した。これらの増加は、グアニレートサイクレーシスの抑制剤であるODQによって抑制された。PDE-IIIの抑制剤であるmilrinone存在下ではNOによる増加が見られなかった。1000μM SIN-1は、cell shorteningを減少した(72%)。この減少は、SOD添加により抑制された。また、200μM合成ONOO^-もcell shorteningを減少した。以上より、NOはC-GMPを介して陽性変力作用を示し、SIN-1の陰性変力作用はONOO^-によることが示された。この成果は、現在論文作成中である。 (2) 好中球による血管内皮細胞障害におけるNO、O_2^-、ONOO^-の関与 L-NIOは好中球のNO生成を低下させ、スーパーオキサイド生成を増加させた。ニトロチロシン生成は認められなかった。この成果は、現在論文作成中である。 (3) 脳虚血・再灌流モデルにおけるNO、O_2^-、ONOO^-の関与 ラットの左総頸動脈を永久閉塞し、同時に左中大脳動脈(MCA)近位部をクリップで2時間閉塞する局所脳虚血モデルを用いた。MCA閉塞群では、ニトロチロシンは梗塞周辺部0.42±0.13%、梗塞中心部0.29±0.10%であった。再灌流した群では、梗塞周辺部0.89±0.22%、梗塞中心部0.35±0.09%であった。またニトロチロシンの半減期は約2時間であることが明らかになった。(Takizawa S:Dynamics of nirotyrosine formation and decay in rat brain during focal ischemia.J Cerebr Blood F《inpress》) 3. 敗血症ショック患者とアレルギー性鼻炎患者におけるNO、O_2^-、ONOO^-の関与 本疾患の血圧低下にNOのCofactorであるテトラヒドロバイオプテリンの誘導が関与し、その吸着がショックの改善に寄与することが示唆された。アレルギー性鼻炎の患者では鼻粘膜にニトロタイロシンの生成が得られた。(Sato M:Increased nitric oxide in nasal lavage fluid and nitrotyrosin formation in nasal mucosa-Indices for severe perennial nasal allergy.Clin Exp Allergy28:597-605,1998)
|