研究課題/領域番号 |
09470194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
新村 真人 (新村 眞人) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00010190)
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研究分担者 |
稲葉 義方 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60184727)
澤田 俊一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50187291)
本田 まりこ 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20100919)
太田 真由美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70246370)
太田 有史 (太田 有人) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20168933)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 神経線維腫症 / レックリングハウゼン病 / neurofibromatosis / 神経線維腫 / 神経鞘腫 / neurofibromin / menlin / 悪性神経鞘腫瘍 / p53遺伝子 / 樹状細胞 / 融合細胞 / 免疫治療 / NF1プロモーター / 神経線維腫瘍2 / 両側性聴神経腫瘍 / 癌抑制遺伝子 / 神経鞘腫症 / 遺伝子 / カフェ・オ・レ斑 / メラニン / モザイク / 神経線維腫症1(NF1) / 神経線維腫症2(NF2) / phenotype-genotype correlation / MS(Mutagenically-Separated)PCR法 / FISH法 / big-deletion / PTT(Protein Truncation Test)法 |
研究概要 |
我々は神経線維腫症1型(Recklinghausen病,neurofibromatosis 1,NF1)1640例、NF2の52例を経験し、種々の治療を行い経過を観察している。このほかに部分的神経線維腫症(NF1のモザイク、NF-V型)25例、限局して神経線維腫のみが多発する症例54例、限局性多発性カフェ・オ・レ斑103例を経験した。NF1は多発する神経線維腫、カフェ・オ・レ斑のほかにも中枢神経病変、眼、骨などの病変が見られる疾患である。患者に見られる症候は多彩で、個々の患者にみられる症状の程度の差も著しい。NF1遺伝子は17q11.2に座位し、遺伝子産物はneurofibrominと命名されras GTPase activatorとしての働きが有る。家系内のNF1遺伝子の変異は同一のものであるが、種々の病型が混在してみられることがあり、genotypeとphenotypeとが一致しないことも多い。NF1遺伝子には60のエクソンがあり,これら総てのエクソンについて,PCR-SSCP法を用いて遺伝子検索を行った。遺伝子の欠損、部分欠失、挿入、点突然変異変異など種々の変異が認められたが、いわゆるhot spotや変異の位置と臨床病型との間に相関は認められない。稀にカフェ・オレ斑が、体節に限局してみられる症例がある。こうした場合には神経線維腫は色素斑がみられる部位内に中年期以降に発生することがある。これはNF1のモザイクと考えられるが、性細胞が変異した細胞に由来する場合には、子供に典型的なNF1の発症をみる。また、NF1患者の約2%に悪性末梢神経鞘腫瘍の発生をみる。8例のNF1に合併した悪性神経鞘腫瘍症例を対象にSSCP法とdirect-sequence法によるp53遺伝子変異の解析を行ったが全例で変異は認められなかった。神経線維腫症2(NF2)では両側性聴神経腫瘍以外に脳神経の神経鞘腫、硬膜腫、脊髄根神経鞘腫、皮膚の神経鞘腫などがみられる。われわれが報告した神経鞘腫症(neurilemmomatosis,schwannomatosis)は、両側性聴神経腫瘍がなく、皮膚、脊髄神経などに神経鞘腫が多発する疾患であるが、NF2遺伝子の解析を行った結果、NF2遺伝子のgerm line mutationを検出し、両者は同一の疾患であることが明かとなった。
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