研究課題/領域番号 |
09470208
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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研究分担者 |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294068)
中村 祐 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70291440)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273632)
竹田 潤二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50163407)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン / 小胞体 / 老化 / Aβ(アミロイドβ) / GFAP / aging / Aβ / ノックインマウス / 点突然変異 |
研究概要 |
213番目のイソロイシンがスレオニンに変異したプレセニリン遺伝子を導入したknock-inマウスの作成に成功した。このマウス脳では変異アレルの数に依存して、Aβ42/A β 40比が上昇することが確認された。さらに免疫組織化学的に検討した結果、30週齢・8月齢・24月齢においてもホモまたはヘテロの動物において、老人斑及び神経原線維変化や神経細胞死は認められなかったが、抗GFAP抗体を用いた免疫組織化学的検討では24月齢では星状膠細胞がPS1変異の数に応じて増生する事が確認され、この変化はhomozygousの海馬で顕著であり、同じことはWestern法にても確認された。さらに、24月齢の動物を抗Aβ抗体を用いた免疫組織化学的検討すると、細胞内Aβ42がPS1変異の数に応じて蓄積することが観察され、その所見はhomozygousの大脳皮質第2-3層に顕著であった。この結果は、PS1の変異に老化が加わると星状膠細胞の増生やアミロイドの蓄積などアルツハイマー病脳で見られる変化を生じることを示唆していた。 さらに、モデルマウス由来の初代神経細胞培養において、細胞を刺激した時にGRP78などのシャペロン蛋白の発現が少ないことが判明した。シャペロン蛋白の発現はUPR(Unfolded Protein Response)と呼ばれる反応で制御されていることから、このメカニズムに沿って解析したところ、プレセニリンはIre1という小胞体上のセンサー蛋白と結合しており、プレセニリン変異を持つ細胞は小胞体ストレスに暴露するとIre1の活性化が少なく、GRP78を誘導できないことが判明した。このためプレセニリン変異導入細胞では小胞体ストレス暴露時には細胞はアポトーシスを起こしやすいという。これによりプレセニリン変異のもつ細胞死への関与のメカニズムの一部分は解明されたと考えられる。
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