研究課題/領域番号 |
09470217
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石橋 俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)
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研究分担者 |
大須賀 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 信博 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 動脈硬化 / コレステロール / トリグリセリド / リポタンパク / アポタンパク / リポタンパクリパーゼ / ノックアウト / トランスジェニック / アポリポタンパクE / LDLレセプター / トランスジェニックマウス / ノックアウアトマウス / レムナント / 細胞間質 / 高脂血症 / マクロファージ / ノックアウトマウス |
研究概要 |
動脈硬化症の発症機構は傷害反応仮説によって説明されてきた。しかしながら、必ずしも血管内皮の損傷が無くても動脈硬化が進展することが明らかにされた。動脈壁に繁留・沈着したリポタンパクの脂質の変性によって惹起された炎症性反応が、細胞増殖の背景として注目されている。ヘパリン親和性を共有するアポEやリポタンパクリパーゼ(LPL)が、アポBのプロテオグリカンとの相互作用に影響する可能性を想定した。そこで、アポB-100とアポB-48の2種類のアポBイソタンパクの動脈壁の繁留性を比較するために、アポB-48生成機構であるアポBmRNAeditingを触媒するAPOBEC-1を欠損するマウスを樹立した。更に、交配によりアポEとAPOBEC-1を欠損するマウスを作製した。アポE欠損マウスのアポBはほとんどアポB-48であるが、アポEとAPOBEC-1を欠損するマウスのアポBはすべてアポB-100である。同程度の血清脂質値の時には大動脈の動脈硬化に差はなく、アポB-48はアポB-100と同程度の動脈壁繁留性をもつと考えられた。次に骨格筋にLPLのトランスジーンを過剰発現するアポE欠損マウスを作製した。アポE欠損マウスと比較して血中のコレステロールとアポBの濃度は変わらないのに動脈硬化は1/2に抑制された。HDLの増加傾向があり、動脈硬化抑制の一部はそのためと考えられるが、アポB-48の血管壁への繁留に対してLPLが抑制的に作用している可能性が示唆された。同様に、肝臓にアポEを過剰発現するLDLレセプター欠損マウスを作製した。LDLレセプター欠損マウスに比較して、血中のコレステロールとアポBの濃度は減少し、それに平行した動脈硬化の抑制が観察された。以上の結果から、アポB-48とアポB-100は同等の動脈壁繁留性を持ち、LPLはこれに拮抗的に作用し、アポEは中性的な作用を有することが明らかになった。
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