研究課題/領域番号 |
09470225
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
堀内 正公 熊本大学, 医学部, 教授 (10117377)
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研究分担者 |
荒木 栄一 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (10253733)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | メイラード後期生成物(AGE) / 糖尿病合併症 / マクロファージ / スカベンジャーレセプター / インスリン / PI3 kinase / 細胞内情報伝達系 / インスリン受容体 / スカベンジャー受容体 / lyn / MAP kinase / AGE / スカベンジャー受容体(MSR) / インスリン受容体(HIR) |
研究概要 |
蛋白はグルコースによって非酵素的糖化反応を受けて後期反応生成物(AGE)を形成する。AGEは細胞膜上のAGE受容体を介して種々の細胞現象を誘発する。我々はMSR-A(Macrophage Scavenger Receptor type A)がマクロファージの主要AGE受容体であることを、MSR-Aを過剰発現したCHO細胞並びにMSR-Aノックアウトマウスの腹腔マクロファージを用いた細胞レベルの解析から明らかにした。一方、AGE化蛋白は、静脈注射した場合、速やかに血中からクリアランスされることが知られている。我々はこの現象が肝臓の類洞内皮細胞による活発な取り込み・分解によること、又、この取り込み現象が、インスリンによって1.4-1.5倍に促進されることを見出した。このインスリン促進メカニズムを分子レベルで解析するため、CHO細胞にヒトインスリン受容体(HIR)とMSR-Aを共発現させた細胞を樹立した。この細胞によるAGE蛋白の取り込み・分解はインスリン濃度依存性に促進されたが、2種類の変異HIRをMSR-Aと共発現させたCHO細胞では促進現象は起こらなかった。又、インスリンによるAGE蛋白の取り込み促進作用は、PI3 kinaseの阻害剤(wortmanninとLY294002)によって消失したが、PI3 kinaseの下流にあるpp70-S6 kinaseの阻害剤(rapamycin)では影響を受けなかった。これらの所見はインスリン刺激によるAGE蛋白の取り込み・分解の促進はPI3 kinaseを介していることを示唆している。現在、インスリンによる促進現象が観察されるのは肝臓の類洞内皮細胞だけであり、MSR-Aの高く発現するマクロファージには認められない。従って、血中でAGE化した蛋白や血管外から血中へ移行したAGE蛋白のクリアランスに関与している可能性が考えられる。
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