研究課題/領域番号 |
09470228
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齋藤 英彦 (斎藤 英彦) 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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研究分担者 |
唐渡 雅行 名古屋大学, 医学部, 医員
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 助手 (40161913)
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80221365)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 血栓性素因 / プロテインC欠乏症 / 遺伝子異常 / 分泌異常 / COOH末梢除変異体 / 発現実験 / 立体構造変化 / 分子モデル / プロテインS欠乏症 / nonsense mutation / 血小板mRNA / exon skipping / alternative splicing / AAV / プロテインS / 遺伝子治療 |
研究概要 |
血栓性素因・プロテインC(PC)欠乏症を起こすPCNagoya分子は血中に分泌されないことが推測され、Pulse chase実験、免疫蛍光顕微鏡、電子顕微鏡ならびにCOOH末端欠失変異体PC分子の発現解析によりその遺伝子異常からプロテインC欠乏症に至る分子病態の解析を行った。Pulse chase実験では、PCNagoya分子は翻訳されるもののほとんど分泌されず細胞内に貯留し分解されることが判明した。また、蛍光顕微鏡観察ではPCNagoyaはERパターン、電顕観察でもER内腔の著明な拡大が見られ、その合成過程でのERからGolgiへの輸送障害の存在が示唆された。このPCNagoya分子の分泌障害においてCOOH末端の81個の異常アミノ酸の存在が問題である可能性を検索するためこの部の削除分子を作製して発現実験を行なった。その結果、置換されたCOOH末端の異常アミノ酸すべてを削除したものも含めてすべて分泌されず、異常アミノ酸そのものが原因ではなく、分泌には正常PC分子のCOOH末端構造が重要であることが示唆された。そこで、正常PC分子のCOOH末端を順次削除した変異体での発現実験を行なったところ、10アミノ酸を削った変異体(PC409)までは分泌されたが、11アミノ酸以上削除した変異体(PC408以降)では全く分泌されなかった。この結果は、免疫蛍光顕微鏡ならびに免疫電子顕微鏡観察でも確認された。すなわち、PCNagoya分子ではCOOH末端構造が失われることが分泌異常の原因であることが明らかとなった。次に、分泌障害型分子PC408と分泌型分子PC410の立体構造の違いを、血液凝固Xa因子の結晶構造をもとにそれぞれコンピューターを用いて分子モデルを構築して比較検討を行なったところ、当初の予想に反して両者にほとんど立体構造に違いを認めないという結果であった。
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