研究課題/領域番号 |
09470234
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40129028)
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研究分担者 |
窓岩 清治 自治医科大学, 医学部, 助手 (70296119)
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | α2-プラスミンインヒビタ / アンギオスタチン / プラスミン / XIII因子 / 細胞遊走 / セレクチン / α2プラスミンインヒビタ / 血管内皮細胞 / 架橋結合 / プラスミノゲン / 細胞移動 / 組織修復 |
研究概要 |
プラスミノゲンノックアウトマウスにおいては、細胞の移動や、組織修復が阻害される。この現象はフィブリノゲン(Fbg)を同時にノックアウトすると見られなくなる。このことは、細胞の移動には組織フィブリン(Fbn)のプラスミン(PM)による分解が重要であることを示峻する。一方では、Fbnや細胞そしてα2-プラスミンインヒビタ(α2-Pl)と特異的に結合するリガンドとなるリジン結合部位を構造中に持つPMの自己分解産物、アンギオスタチン(AST)が、血管新生のみならず、血管内皮細胞の遊走も抑制することが平成10年に報告された。我々はα2-PlがPM、更に10年度はASTによる細胞の移動をいかに制御するかを解析した。 1) まず、血中α2-Plが如何に組織に入り込むかを解析した。細胞間物質としてFbgが存在すると活性XIII因子の働きでこれに架橋結合する事が確認された。次いで、α2-Plがセレクチンに高親和性を持つことから、α2-Plの糖鎖解析を施行した。α2-Plをヒドラジン分解し、シアリダーゼ処理後、glycomap解析、各溶出分画をエンドグリコシダーゼ分解し糖鎖の型を分類、RAMM法、PNAレクチンとの結合解析や、New Castle virus sialidaseを利用したシアール酸の結合様式などの解析を進めた。結果、α2-Plはシアール酸を1-3個結合したN結合型と1個結合したO結合型糖鎖を持つこと、及び構造上にシアリルルイスX構造を有することが示唆された。 2) 細胞移動実験では、LPSで刺激した内皮細胞の移動はα2-Plが存在すると極端に遅延すること、細胞間物質としてFbgが存在すると、α2-Plおよび、XIII因子の共存により移動が遅延することが示唆された。Boyden chamberを利用した細胞遊走実験では、ASTによる内皮細胞の遊走抑制がα2-Plにより中和された。リジン結合部位に特異的に結合するアミノカプロン酸ではこの中和作用が見られなかったので、現在ASTに特異的なモノクロナル抗体を作製し、その分子機作を解析中である。FbnにbFGFが特異的に結合することを考えると、組織修復における細胞増殖と細胞移動にα2-PlによるFbn分解の微妙な制御は重要な役割を果たしているものと思われ、更に現在詳細な解析を進めている。
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