研究分担者 |
五味 慎也 久留米大学, 医学部, 助手 (30289368)
今井 康久 久留米大学, 医学部, 助手 (90268847)
中尾 真修 久留米大学, 医学部, 講師 (40258447)
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 助教授 (30140669)
磯本 浩晴 久留米大学, 医学部, 教授 (80080745)
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研究概要 |
本研究ではこれまでに日本人に多発する消化器癌に対するHLA-クラスI拘束性癌特異的キラーT細胞株を多数樹立し、それの認識する上皮性癌拒絶抗原遺伝子を複数クローニングし、さらに同遣伝子のコードするペプチド抗原も明らかにしつつある。具体的には以下の成果を得た。 1. 消化管癌浸潤キラーT細胞の存在を明らかにした(食道癌:Toh et al.,Cell.Immunol.177:137-143,1997,胃癌:Hoshino et al.,Int.J.Cancer 70:631-638,1997,大腸癌:Gouhara et al.,JJCR 88:198-204,1997)。 2. SART-1癌拒絶抗原遺伝子:1)癌ワクチン開発研究においてはHLA-A24拘束性ペプチド(SART-1_<690-698>)が強いCTL誘導能を有することを見出した。2)アジュバントを決定する目的でSART-1_<690-698>ペプチドによるCTL誘導の至適条件を各種サイトカインを用いて解析した。3)HLA-A26拘束性ペプチドSART-1_<736-744>がHLA-A2601,-A2602,-A2603癌患者のいずれからもCTLを誘導することを見出した。 3. SART-2癌拒絶抗原遺伝子:100kdのSART-2抗原が扁平上皮癌粗面小胞体内に選択的に発現していることを明らかにするとともに、同抗原内にHLA-A24^+癌患者リンパ球よりCTL誘導能を有する3つのnonapeptideを同定した。 4. SART-3癌拒絶抗原遺伝子:140kdのSART-3抗原が増殖細胞に選択的に発現し、かつ癌細胞に限って核内にも発現することを明らかにした。同抗原内にHLA-A24^+癌患者リンパ球よりCTL誘導能を有する2つのnonapeptideを同定した。 5. SART-4/SART-5拒絶抗原遺伝子:上記に用いたHLA-A24 CTL株に認識される抗原遺伝子を2つクローニングして、現在解析中である。
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