研究課題/領域番号 |
09470295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山崎 俊樹 島根医科大学, 医学部, 助教授 (50201835)
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研究分担者 |
亀井 勉 (財)島根難病研究所研究局, 研究部長
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 遺伝子制御 / 主要組織適合抗原 / 免疫応答 / 神経内視鏡 / 超音波 / 手術 / 低侵襲性治療 |
研究概要 |
1. 基礎研究 脳細胞は他臓器の細胞と比べ、免疫応答に際し自己・非自己の認識に重要な役割を担う主要組織適合複合体(MHC)クラスI抗原の細胞膜発現性が極めて乏しい特性を有するが、その生物学的意義は不明である。われわれはこの脳における免疫学的特徴に着眼し、脳腫瘍治療における臨床応用への展開を目指し研究を試みた。研究方法は既に確立している実験的脳腫瘍モデル(マウス)系を用いた。マウスMHC(H-2)クラスI抗原分子とナチュラル・キラー(NK)細胞およびT細胞を介する免疫応答ネットワークを解析することにより、脳内における腫瘍免疫監視機構の特殊性の一面を解明しえた。 2. 臨床研究 脳神経外科領域における「QOL(Quality of Life)向上・充実のための外科治療」をテーマに研究を進めている。方法として、われわれは超音波ドプラ血流測定法と神経内視鏡を組み合わせた術中モニタ法を考案し、種々の顕微鏡手術や定位脳手術における本法の手術支援システムとしての有用性を検討した。 超音波ドプラ血流測定法に用いるプローベは直径1mmの極小型の特長をもつため、術野の狭い脳深部の顕微鏡手術あるいは異常血管の豊富な腫瘍性病変の顕微鏡手術や定位的生検術などに際し、術野が確保でき、かつ脳深部血管の機械的損傷に対する術中防止対策法のひとつとして重要な役割を果たすことが確かめられた。また、超音波カラードプラ法は脳実質内腫瘍の切除に際し、直視できない脳内の手術操作をより安全かつ正確に進める上で有用であった。今後、術野の狭い経蝶形骨下垂体手術にも対応できる細径操舵型プローベの改良あるいは開発が必要と考えられた。 神経内視鏡には硬性鏡と軟性鏡があるが、現在のシステム装置では内視鏡映像が術者の顕微鏡視野内で観察できない課題がある。すなわち、顕微鏡術野の死角部の観察に内視鏡を用いるが、この内視鏡所見を観察する際、術者が顕微鏡術野から目を離さざるをえない。これは術者が顕微鏡手術操作をやむなく中断しなければならない最大の欠点となる。今後、この課題に対応できるシステム装置の改良あるいは開発が必須である。
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