研究課題/領域番号 |
09470297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西尾 俊嗣 九州大学, 医学部, 講師 (10180580)
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研究分担者 |
福井 仁士 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10038713)
森岡 隆人 九州大学, 医学部, 助手 (10260697)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 大脳皮質形成異常 / ニューロトロフィン / てんかん / 病理組織学 / 神経細胞腫瘍 |
研究概要 |
中枢神経系の奇形、とくに大脳皮質形成異常は神経画像診断技術の進歩により本病変がよく発見されるようになり、病理発生学的にはmigration disorderなどと関連して、臨床的には難治性のてんかん発作を伴うことで注目されている。本研究では大脳皮質形成異常の病理形態学的な異常をその組織発生と関連して明らかにするとともに、そのてんかん原性を検討した。また、大脳皮質形成異常の作製を実験動物で試みた。 (1)限局性大脳皮質形成異常のてんかん原性についての電気生理学的研究で、この病変自体にてんかん原性が存在する可能性が高いことを示した。 (2)大脳皮質形成異常と神経細胞腫瘍でのneurotrophin(NT)関連物質に関する病理組織学的研究を行い、大脳皮質形成異常でTrkA発現がcytomegalic neuronに、TrkB発現はdysplasticなそして小さな神経細胞にもみられ、神経細胞腫瘍でもTrkAなどに陽性所見を示す腫瘍性の神経細胞が存在することを明らかにした。これらの所見は、良性神経細胞腫瘍および大脳皮質形成異常の発生過程やそのてんかん原性にNTが関与している可能性を示唆するものであり、また、両者に共通する発生異常が存在する可能性を示すものである。また、FCDではそのてんかん原性の発現と維持にも関係していると考えられた。 (3)大脳の良性神経細胞腫瘍とそのてんかん原性についての研究で、本腫瘍周囲に小さな大脳形成異常があり、これが(2)の場合と同様にてんかん原性を持つことがあることを示した。 (4)実験動物での大脳皮質形成異常作製実験では妊娠16日目のラットに少量の放射線照射(50cGy)を行ったが、はっきりした大脳の形態学的異常を作製することには失敗した。
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