研究課題/領域番号 |
09470313
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
内田 淳正 三重大学, 医学部, 教授 (40176681)
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研究分担者 |
山崎 隆 三重大学, 医学部, 助手 (70230399)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 骨転移 / 動物モデル / ポリアミン合成阻害剤 / 磁性体セメント / 温熱療法 / 骨移転 / オルニチン脱炭酸酵素 / 磁性体 |
研究概要 |
1. 骨転移の成立機序を解明にするための動物モデル 骨転移成立の過程を解析するための単純な動物実験系を確立する目的で、C57BL/6マウス背部皮下組織内に骨を移植した後に、B-16メラノーマ腫瘍細胞を心臓内に注入し移植骨に骨転移を起こすことを試みた。この結果、70-80%以上の確立で移植した骨に転移が成立する、極めて独創的で利便性の高い異所性骨転移モデルを確立した。この系を用いて転移の成立過程を組織学的に観察し、以下の結果を得た。 1) まず最初に移植骨へ新生血管が侵入し、それに伴い腫瘍細胞が移植骨表面に到達する。 2) その後に骨膜表面および骨髄内に骨転移が成立する。 3) 時間の経過に伴って個々の腫瘍は増大し転移巣の数も増加する。 2. 骨転移の抑制研究 骨転移を抑制する物質の開発研究を上記の異所性骨転移動物モデルを使用して行った。細胞増殖に関与するポリアミンの合成阻害剤(Methylglyoxal-bis-cyclopentylamioinohyoirazone,MGBCP)の腹腔内投与(20mg/kg/日の28日間の連日投与)によって異所性骨への転移形成は著明に抑制された。この作用機序は新生血管の形成抑制が大きく関与していることが示唆された。体重減少を認めず、その他にも重篤な副作用をみなかった。副作用の無い骨転移抑制剤としての臨床応用の可能性が示された。 3. 局所温熱療法による骨転移の治療 骨セメントに強磁性体であるマグネタイトを混入し外部より強力な磁場を加えることにより材料そのものをを発熱させる新しい温熱治療法を開発した。このシステムは50度以上の温度を容易に獲得でき、繰り返し加温でき、さらに材料そのものが力学的強度を有することが示された。皮下や骨内に移植した腫瘍でこの温熱システムは著明な腫瘍増大の抑制効果を示した。骨転移治療の臨床応用の可能性を明らかにした。
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