研究課題/領域番号 |
09470317
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
越智 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (80112035)
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研究分担者 |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学部, 教授 (50064613)
内山 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
富田 哲也 (冨田 哲也) 大阪大学, 医学部, 助手 (30283766)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1997年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | RA / ナース細胞 / pseudoemperipolesis / リンパ球 / ヒアルロン酸 / 骨髄球系細胞 / 関節破壊 / 慢性関節リウマチ / 骨髄細胞 / 滑膜細胞 / ナ-ス細胞 / 骨・関節破壊 / 接着分子 / 蛋白分解酵素 / アポトーシス |
研究概要 |
従来、RAの病巣としては関節滑膜が主病巣と考えられ多くの研究が続けられてきたが、我々はRA患者、特に重症RA患者の手術所見において関節内の滑膜増殖がむしろ少ないことから、主要病巣が関節滑膜以外にあるのではないかと考えた。 そして、重症RA患者の骨髄中に異常な骨髄球系細胞を認めた。すなわち、重症RA患者の罹患関節部骨髄中に異常な膜抗原を有する細胞を認め、これらは全身造血系である腸骨骨髄中の一見正常な膜抗原を有する細胞よりIL-1 bata及びGM-CSFに促進され、T細胞に抑制されながら分化誘導されていた。また軽症RA患者の腸骨骨髄中においても、リンパ球系細胞の異常増多と活性化、及びIL-1、 IL-8の増加が認められた。さらに重症RA患者の腸骨骨髄から得た細胞の培養系において破骨細胞の出現も認め、重症RA患者における全身性の骨萎縮との関連が考えられた。 これらの異常な細胞は通常の培養条件では増殖維持できない。そこで我々は骨髄中で造血系細胞を支持する間葉系細胞に着目し、RA患者骨髄及び滑膜から間質細胞(ナース細胞)を樹立した。ナース細胞はリンパ球系の細胞をその下に抱き込み(pseudoemperipolosis)、分化・増殖維持させるとともにアポトーシスにも関与し、免疫反応において重要な機能を持つ細胞である。 RAナース細胞は自身もIL-6、 IL-8、G-CSF、GM-CSFやヒアルロン酸を産生するとともに、リンパ球系細胞との共培養系では IL-1 beta及びTNF-alphaなどの炎症性サイトカインや、matrix metalloproteinaseやcathepsin などの生産も認め、直接関節破壊に関与していると考えられる。また、これら異常細胞の排除機構が破綻している機序として、RA患者骨髄中において可溶型Fasリガンドが増加しており、アポトーシスが抑制されていることを明らかにした。 以上の事実からナース細胞は種々の細胞間ネットワークの中心となってRAの病巣を形成するとともに、それ自身関節破壊に関わっていると考えられる。
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