研究分担者 |
本山 剛 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00305020)
濱口 正道 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274725)
菊田 浩一 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (80264307)
久木田 一朗 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (60253746)
秋山 秀典 熊本大学, 工学部, 教授 (50126827)
|
研究概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の死亡率は高い。患者救命のためには新たな治療法の導入が不可欠である。平成9年度から平成10年度にかけて,FIO_2 0.4以上の人工呼吸が必要な34例のARDSに約800ppmの一酸化窒素(NO)ボンベを希釈しNO吸入療法を行った。対照として,同等の重症例に対する比較対照を行った。結果的に多臓器不全を伴った重症ARDSが多く予後改善効果まで至っていない。更なる検討が不可欠である。次に,100nsとパルス幅の短いパルスパワーをNO生成反応容器中の窒素と酸素の混合気体中に印加し、生成された高エネルギー電子により分子を解離しNO生成を試みた。NO生成量は,ガス中の空気・酸素濃度比によって変化しFIO_2 0.21の付近が最もNO生成量が多かった。次に,パルスパワーの周波数,エネルギー量について検討した。NO生成量は,パルスパワーの周波数,エネルギー量が大きいものほど高濃度のNO生成が行えた。NO生成に伴い窒素酸化物としての二酸化窒素(NO_2)が生成された。このNO_2は500度以上の高温下でモリブデンにより還元することによりNO_2からNOへの変換が可能であった。ステンレスを触媒として用いた研究では温度によるNO_2からNOへの変換率の変化は認められなかった。本研究成果は,NOボンベがいらないNO発生装置搭載型の人工呼吸器開発の可能性を示唆する。
|