研究課題/領域番号 |
09470351
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
郡 健二郎 (1998) 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30122047)
藤田 圭治 (1997) 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50264734)
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研究分担者 |
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50225869)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (40238134)
坂倉 毅 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00275132)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30122047)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | 尿路結石 / オステオポンチン / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / アンチセンス / NFкBデコイ / ビスホスホネート |
研究概要 |
尿路結石の有機成分(マトリクス)としてオステオポンチン(OPN)を同定し、結石形成時に腎尿細管細胞で発現が増加していること、結石抑制物質の投与で発現が抑制されることを報告してきた。今回、vitroおよびvivoにおいてOPNの発現を制御することによって結石形成抑制を試みるとともに、遺伝子治療の可能性について検討した。OPN遺伝子をRT-PCR法によって作成し、2種の発現ベクターpRc/CMV(真核細胞発現ベクター)とpTet-splice(テトラサイクリン依存性遺伝子発現ベクター)に翻訳方向とは逆向きに挿入し、pTet-OPNasとpRc/CMV-OPNasを作成した。OPN遺伝子が挿入されたことをシークエンスにて確認した。in vitro実験ラット腎上皮培養細胞(NRK-52E)を用い尿路カルシウム結石の主成分である蓚酸カルシウム(CaOx)結晶との接着を検討する。PTet-OPNasをリポフェクション法でNRK-52E細胞にstabele transfectionし、恒常的にOPN antisenseを発現する細胞系を確立した。antisenseのOPN発現抑制効果はNorthern blot法とWestern blot法で確認し、NRK-52E細胞とCaOx結晶との接着を走査電顕で観察した。NRK-52E細胞でCaOx結晶との接着がみられたが、遺伝子導入でOPN発現を抑制したクローンではCaOxとの接着が抑制されていた。OPNはCaOx結晶と腎尿細管細胞の接着に重要な役割を果たしていると考えられた。in vivo実験7週齢SDラットをpTet-OPNas導入群、pRc/CMV-OPNas導入群、ネガティブコントロールベクターとしてpRc/CMV導入群を設定。全群に20mg/kgの蓚酸前駆物質:グリオキシル酸を連日投与して蓚酸カルシウム結石形成を促した。0日目、3日目、3日目と8日目に発現ベクターと遺伝子導入試薬の混合液を両腎に局注。14日目に腎臓を摘出し、OPN antisenseの発現はin situ hybridization法、CaOxプラーク形成はPizzolato染色で検討した。14日目に摘出した腎臓ではCaOxプラークが形成されていたが、OPN antisenseの遺伝子導入によりOPN発現とCaOxプラーク形成が抑制された。以上からOPNは結石形成に関わる物質であり、遺伝子治療の標的遺伝子となりうる可能性が示唆された
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