研究課題/領域番号 |
09470370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
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研究分担者 |
藤木 暢也 京都大学, 医学研究科, 助手 (20271009)
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (10231490)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 聴覚言語 / カテゴリー認知 / ポジトロン断層法 / 可塑性 / 難聴 / 人工内耳 / 言語の符号化 / Coarse coding / 時間情報 / 臨界期 |
研究概要 |
正常人及び内耳性難聴者、人工内耳装用聾者における脳機能画像法による音声言語認知中枢機構の観察から、聴覚中枢のカテゴリー認知機構は主に両側側頭葉の上および中側頭回中央部にあると推測された。人工内耳使用者の様に音声入力情報に歪みや不足がある場合には、音声言語認知機構に大きな負荷がかかると考えられ、この状態で強く活動する中側頭回が、特にカテゴリー認知に主要な役割を果たしていると考えられる。中側頭回の神経細胞は、処理する語音の特徴に対する選択性が低く、末梢からの入力信号が不十分な状況での困難なカテゴリー認知には、多数の選択性の低い細胞が同時に活動することで正確な認知に到達する、いわゆる「coarse coding」という方策が用いられていると推測された。また、このような条件下では、前頭葉のブローカ野、補足運動野の活動亢進も認められた。ブローカ野と補足運動野は共に発語など言語の表出に関与することが知られている。さらに、これらに語音の認知を主に担当する側頭連合野を加えた3領域間には解剖学的にも密接な線維連絡があることが確認されている。今回の一連の研究結果から、歪みを伴なう不十分な言語音信号を分析し認知するために、音声言語認知機構は、認知だけでなく表出を担当する神経機構も組み入れた巨視的神経回路によってワーキングメモリを構成し、入力された音声言語信号を一旦保持し、側頭葉での分析と同時に前頭葉の表出機構を利用した語彙との照合を行うことで正確なカテゴリー認知を達成しているものと推測された。この仮説を検証するためには、今後、上記それぞれの局所脳機能に焦点を絞った分析的研究が必要と考える。
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