研究課題/領域番号 |
09470390
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
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研究分担者 |
佐藤 尚美 新潟大学, 歯学部, 助手 (20018427)
中澤 太 新潟大学, 歯学部, 助教授 (60115053)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 歯周疾患 / 嫌気性菌 / 病原性 / 培養困難性細菌 / γδTcell / IL-4 / IFNg |
研究概要 |
本研究は、従来無視されていたが、偏性嫌気性菌取り扱い技術の進歩により、申請者らによって歯周ポケットから分離する事ができるようになった培養の困難な糖非分解性偏性嫌気性菌の歯周疾患との関連を検討することを目的とした。 1.口腔各部の培養困難菌の分離とその病原性性状検査と分類学的検討: 多くの菌株を分離し、毒性物産生等の性状検査を行った。また、16S rDNAシークエンス分析を行い、2菌属4菌種の新しい細菌属種の提案を行った。既存の菌株についても同様に検討し、その分類学的位置を確定した。また、菌株の保存を行い、いくつかの研究機関に分配した。 2.16S rDNA PCR法による検出: 培養困難細菌の検出にはPCR法が役立つ。16S rDNAシークエンス分析の結果を受け、菌種特異的なプライマーを設計し、病巣から検出を行い、これらの菌種が極めて広範に分布していることが確認された。 3.免疫反応を介する病原性の検討: 歯周疾患病原性を調べる目的で、これらの細菌をマウスの腹腔に注入し、免疫反応細胞を採取して、その細胞数の増減と免疫反応の様式(液性・細胞性)に関連するサイトカインIL-4とIFNγのT細胞内産生を調べた。マウス腹腔は、奨膜上皮に囲まれ、空間として歯周ポケットに類似すると共に、遊走細胞の採取・分析が容易である利点がある。感染後直ぐに、γδT細胞の細胞内にIL-4とIFNγの産生が見られ、それぞれ液性免疫、細胞性免疫の発現に関与していると思われ、実際に免疫細胞の遊走・増加、また、血清抗体量の増加が見られた。この反応は、対照として用いた歯周疾患病原性が示唆されているPorphyromonas gingivalisの場合と同様であった。歯周ポケットで多数を占めているこれらの菌種の免疫反応が、歯周疾患の発現に大きく関与していることが示唆された。
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