配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
本研究は、成熟破骨細胞の骨吸収活性調節機構を分子レベルで解明する目的から、ほぼ100%の純度で単離された成熟破骨細胞を用いて、破骨細胞の接着分子を介した活性制御とは別の、今まで解析の遅れていた液性因子による骨吸収活性の調節機構を解明する。とくに、受容体型チロシン・キナーゼに注目し、成熟破骨細胞に発現している受容体チロシン・キナーゼおよびそのリガンドを明らかにし、成熟破骨細胞による骨吸収へのそれらの役割を解明する目的から遂行された。 (I)成熟破骨細胞に発現している受容体型チロシン・キナーゼの同定 本研究では、膜受容体のうちで、受容体型チロシン・キナーゼに注目し、上記の単離成熟破骨細胞からのmRNAおよびcRNAから分子生物学的手法、さらに、免疫化学的手法を用いて、成熟破骨細胞に発現している受容体型チロシン・キナーゼを解析した。その結果、fibroblast growth factor receptor-1(FGFR-1), Tyro2, VEGF receptor(Flk-1およびFlt-1)の発現を実証することができた。また、insulin receptor(INS-R), c-kit, c-met, c-fmsなどの受容体型チロシン・キナーゼ、さらに、受容体型チロシン・キナーゼと派別に、BMPR-IA,BMPR-II,prostaglandin E2 receptor(EP4)が確認された。 (II)成熟破骨細胞受容体型チロシン・キナーゼのリガンドの骨吸収活性に対する作用の解析 上記の受容体型チロシン・キナーゼのうちFGFR-1,Tyro2,VEGF receptorに対応するリガンドbFGF,Gas6,VEGFは、破骨細胞の骨吸収活性、もしくは生存率、および両方の促進することが示された。その作用にc-src,FAK,PI2-kinase,ERK1/2が関与することが示唆された。 上記の結果から、今まで情報に乏しかった、成熟破骨細胞の骨吸収活性の新しい調節機構が明らかにされた。
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