研究課題/領域番号 |
09470399
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10010026)
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研究分担者 |
中島 美鈴 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (00262204)
片倉 伸郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20185804)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 咀嚼 / 吸啜 / リズム / in vitro / 脳幹 / NMDA / 新生仔 / マウス / 錐体路 / 顎運動 |
研究概要 |
本研究は、新生仔から成体に至る生後の各段階の動物のin vitro脳幹脊髄標本で、吸啜および咀嚼運動を誘発する手法を開発し、それらの標本を用いて、哺乳動物の摂食運動の特徴である吸啜から咀嚼への転換ををはじめとして、摂食運動の生後発達の基盤をなす中枢性パタン発生のニューロン機構の変化を明らかにすることを目的とする。 昨年度は、成熟マウスの遊離脳幹-脊髄標本で、橋錐体路の連続電気刺激により、咬筋および顎二腹筋に咀嚼様のリズミカルな相反性活動の誘発に成功した。しかし、NMDAの灌流液中への投与によってはこのようなリズミカルな活動は誘発できなかった。 そこで本年度は、マウス新生仔の遊離脳幹-脊髄標本で、NMDAの灌流液中への投与により吸畷様活動の誘発を試み、三叉・顔面・舌下神経に吸畷様のリズミカルな活動の誘発に成功した。しかし成熟動物とは異なり、錐体路その他の脳幹の連続電気刺激によっては、リズム活動はいずれの脳神経にも誘発されなかった。そこでNMDAによって三叉・顔面・舌下神経運動ニューロンに誘発されるリズミカルな活動が、1)単一のリズム発生器によって形成されるのか、あるいは、これらの脳神経運動ニューロンのリズミカルな活動がそれぞれ別個のリズム発生器によって形成されるか、2)リズム発生器の局在部位を明らかにするために、遊離脳幹に、三叉神経と顔面神経との間および顔面神経と舌下神経との間のレベルで切断を加え、NMDAによるリズミカルな活動誘発に対する効果を検索し、これらの前頭面切断後も、NMDAの灌流液中への投与によりそれぞれの脳神経にリズミカルな活動が誘発されることを見出した。 この結果は、吸啜運動を構成する顎・顔面・舌のリズミカルな運動のリズム発生器が、三叉神経運動核、顔面神経核、舌下神経核のレベルの脳幹に吻尾方向に分節状に、それぞれ独立して存在することを示している。また、成熟動物の三叉神経運動ニューロンの咀嚼リズム発生器の主体が延髄網様体に位置することを考慮すると、吸啜から咀嚼への転換に伴って、リズム発生器のニューロン機構が再構成されることを示唆している。
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