研究課題/領域番号 |
09470401
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 隆 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60028793)
|
研究分担者 |
八十島 安伸 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00273566)
硲 哲崇 大阪大学, 人間科学部, 助手 (90243154)
志村 剛 大阪大学, 人間科学部, 講師 (80150332)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | 味覚 / 学習 / 脳機構 / 神経科学 / Behavior / Neuroscience |
研究概要 |
1.行動学的実験:味覚嫌悪学習の獲得過程で、味覚嫌悪学習(CTA)獲得に細胞性癌遺伝子の1つであるc-fosの発現が間よするか否かを検討するため、c-fos mRNAのanti-sense oligonucleotideをラットの脳内に注入すると、CTA獲得が阻害された。このことは、c-fos発現がCTA獲得に重要であることを示唆している。ある溶液を飲むと体調が悪くなるという恐怖学習とその溶液の味の質と体調悪化を連合する味覚学習の2つを区別するため、条件づけをホームケージで行った場合とテストケージで行った場合を比較した。その結果、前者では味覚学習のみが生じ、後者は恐怖学習も伴うことがわかった。 2.免疫組織化学的実験:ラットの結合腕傍核はc-fos発現を指標としたとき、味覚の識別性の側面と情動性の側面の機能を独立して処理していることが示唆された。ラットが蔗糖、キニーネ、水を摂取したとき、また、蔗糖にCTAを獲得させたあとで蔗糖を与えたときのc-fosとzif-268の発現を調べた。乳頭上核、視床室傍核ではCTA獲得後遺伝子発現が増大した。これらの部位は、恐怖学習に関与する可能性が示唆されているが、今後さらにその発現の意義を考えてみたい。 3.行動薬理学的実験:ベンゾジアゼピン誘導体のミタゾラムや麻薬(モルヒネ)の腹腔内投与でラットの蔗糖摂取量は選択的に増大するが、腹側被蓋野を破壊するとこの効果が消失する。また、脚橋被蓋核を中心とする主要な神経連絡部位のひとつである腹側淡蒼球や、大脳辺縁系のひとつである分界条床核は、味溶液摂取行動に影響を及ぼさないことが示唆された。 4.脳磁図形側:味刺激のみならず、食物および非食物の静止画像を用いた視覚刺激に対して誘発される脳磁界応答を計測、解析した。刺激後、300ms以降で、食物視覚刺激に対して、味応答出現部位である島皮質付近または弁蓋部付近に活動が見られる被験者が認められた。
|