研究分担者 |
小林 國彦 北海道医療大学, 医療科学センター, 講師 (20142739)
依本 卓見 北海道医療大学, 医療科学センター, 助手 (60292033)
内山 洋一 北海道大学, 名誉教授 (40005020)
舞田 健夫 北海道医療大学, 医療科学センター, 講師 (80305929)
田中 収 (田中 收) 北海道医療大学, 医療科学センター, 教授 (40146866)
上田 康夫 北海道大学, 歯学部, 講師 (30241342)
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研究概要 |
歯冠補綴物作製用CAD/CAMシステムを用いて、実際に臨床への応用を行い、システムの有効性について検討した.対合歯の計測において、専用の黒色咬合材により対合歯を印記し、これを計測する場合、わずかに模型から浮き上がり実際よりも高いクラウンを設計してしまう危険性があった。これについては、直接対合歯模型を計測することも検討する必要があるものと考えられた。平成10年度に用いたCADソフトが、さらに実用的となり細部にわたる設計が容易に、しかも10〜20分程度の短時間で行うことができるようになった。加工用データも15〜20分程度で自動的に作成され、加工時間はほぼ60分以内のなった。また、口腔内の支台歯への装着状態も、特に問題は認められず、臨床的に非常に有効であることが認められた。 平成10年に引き続き、歯学教育への応用として支台歯の計測データを用い、近遠心軸面と頬舌側軸面のそれぞれの対向する傾斜角に加え、咬合面削除量を計測した.CADソフトのメニューの中には,設計したクラウンの厚みを自動的にチェックする機能があり,最初にクラウンの厚みの基準値を入力し,支台歯データのクラウン外形データを比較して基準値をしたまわるポイントが画面上に表示される.今回はこの機能を応用し,クラウンデータとして形成前のメラミン歯のデータを登録し,形成後の支台歯データとの比較により咬合面の削除量を計測した.また今回は削咬合面の削除量を計測した結果,削除量が0.5mm未満の部位が認められたものは,52本中32本(61.5%)であり,そのうち削除量不足の部位は小窩列溝部50.0%,頬側内斜面53.1%,頬側咬頭付近34.4%となった.今回の評価方法を行うことにより,肉眼では判定が難しい小さな範囲の削除不足も自動的に判定が可能となり,その結果,形成した支台歯の半数以上が削除不足と判定された.
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