研究課題/領域番号 |
09470435
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
早川 巌 (早川 巖) 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60014172)
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研究分担者 |
平野 滋三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10262205)
守澤 正幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40191019)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 咬合回復 / 身体機能 / 中枢機能 / 歩行安定性 / 近赤外線酸素モニター / 脳波 / ヘモグロビン量 / 咀嚼運動 / 下顎位 / 歩行運動 / 身体活動 / 床反力 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究の目的は、高齢者における身体機能および中枢機能への咬合回復の影響を示すことである。 65歳以上の高齢無歯顎者における歩行における動的な平衡に全部床義歯の装着が与える影響について研究した。全部床義歯装着の有無による被験者の歩行リズム、歩行速度、歩幅を、新しく開発したテレメータの装置を用いて15mを3度歩行させ測定した。得られたデータはt検定を用いて解析した。歩行リズムは、全部床義歯装着時には装着しない時と比べて有意に安定した。歩行速度は全部床義歯装着時には装着しない時と比べて有意に速くなり、歩幅は拡大した。この結果は、無歯顎者において全部床義歯の装着によって歩行安定性が改善されたことを示している。これらのことから、全部床義歯装着による咬合支持が無歯顎者の歩行安定性を向上させ転倒の危険性を減少させる可能性があることが示唆された。 一方、口腔機能の中枢機能への関連を研究した。6名の被験者がこの研究に参加した。被験者には、5分間のガム咀嚼を指示した。ガム咀嚼中およびガム咀嚼後、近赤外線酸素モニターを用いて咀嚼によって生じる脳組織内ヘモグロビン量の変化量の測定を行なった。また、同時にガム咀嚼前後のEEGを測定した。全ての被験者においてガム咀嚼開始後酸化ヘモグロビンの増加し,還元ヘモグロビンの減少した.これに対してガム咀嚼前後でのEEGにおいて変化は見られなかった。これらのことから、脳血流の観察はEEGの観察と比較して、咀嚼運動時の持続的な神経活動の活性化を調べる有効な手段であることが示唆された。 以上の結果より、咬合回復は身体機能および中枢機能に良好な影響を与えることが示された。
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