研究分担者 |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 歯学部, 助手 (80264258)
山邉 芳久 長崎大学, 歯学部, 助手 (90191379)
吉松 正 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (50230800)
野口 和子 長崎大学, 歯学部, 助手 (50172771)
橋本 信行 長崎大学, 歯学部, 助手 (50198686)
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研究概要 |
1. 下顎運動曲線,身体各部の動きとその強さを示す加速度を用いて,下顎運動を調節する運動プログラムの構造を明らかにすることを目的に下顎タッピング運動を観察し,以下の結果を得た. 2. タッピング時,前額部は開・閉口の極めて初期に下顎の移動方向とは逆方向に動いている.このことは、当該の頭部の動きは運動開始前にプログラムされていたことを示している(p<0.001;前者で全試行中の94.0%,後者では96.5%). 3. また,下顎タッピング時の開口量やタッピング強度が増すと,頭部の動揺はそれに伴って大きくなることを確認した. 4. タッピング時に歯に加わる衝撃は,頭部に加えて四肢の遠位の骨や軟絹織にまで伝播し,これらの伝播振動刺激は身体全体に影響を与えていることが示唆された.また,伝播刺激の振幅は姿勢によって異なり,姿勢が顎機能の調節や維持に影響を及ぼすことが示唆された. 5. タッピング力は開口距離,咬合接触相時間,閉口相時間および最大開口速度を変えて調節しているが,この調節に開口相時間と運動周期はほとんど関与していなかった.このことは、力の調節に関与する特定の運動相が存在することを示している. 6. 以上のことは,下顎運動を調節するプログラムは階層構造を有しているという仮説を補強したものと考えた.
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