研究課題
基盤研究(B)
1.学生解剖実習屍体より剖出した245顎関節円板を対象に、軟X線写真にて石灰化病変の有無と部位の調査と検出された石灰化部の免疫組織学的検索を行った。石灰化病変は11関節円板(4.5%)に、非穿孔円板では後方肥厚部から中央狭窄部にかけての中層に、穿孔円板では穿孔部に隣接した円板下面に認められた。穿孔円板では軟骨細胞の集簇、一部で軟骨様骨の形成と骨化が、非穿孔円板では僅かな軟骨細胞の散在、膠原線維の変性、硫酸化GAGの集積が見られ、前者は軟骨内骨化、後者は異所性石灰化と考えられた。2.変形性顎関節症にて円板切除およびSilastic^<(R)>(厚径1.3mm)挿入を行い、それによる異物反応とリンパ節炎が疑われた55才、67才女性からSilastic^<(R)>の除去時に採取した周囲組織を検体とした。各検体を光学顕微鏡による観察と、透過型電子顕微鏡写真上で各200個の細胞内磨耗細片の最大径を計測した。中間挿入物(Silastic^<(R)>)は破損しており、その内側部分は欠損していた。様々な大きさと形をしたSilastic^<(R)>細片がコラーゲン繊維の間や細胞内に見られ、多数の多核巨細胞、リンパ球、泡沫細胞が観察されたが、細片はそれらの細胞内では消化されていなかった。3.女性顎関節内障患者45名から直接採取された滑液49検体を対象とし、pColII-Cを測定した。36検体(73.5%)からpColII-Cは同定され,円板病態の異なる3群間で同定率に統計学的に有意の差が認められた(P<0.01)。4.家兎で実験的関節円板転位モデルを作製し、経時的に関節軟骨のアポトーシスを観察したところ、1ないし2週後に増殖層および肥大層に認められた。
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