配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
研究概要 |
骨転移において転移臓器特異性を制御する癌細胞の機構を分子レベルで明らかにすることを目的に以下の検計を行った. ヒト口腔扁平上皮癌の骨転移形成能とその性状 数種のヒト口腔扁平上皮癌細胞株を心腔内注射しその骨転移形成能を検討しHSC-2,-3で骨転移を示し,HSC-2では骨と筋・筋膜に転移した.HSC2,3の骨転移形成と既知の転移関連因子のうちNm23(H1:NDPkinase A),PTHrP,MMP,E-cadherinと相関を認めた. 選択的骨転移株の樹立と骨転移株の検索 HSC-2が骨と筋・筋膜転移をすることを利用してin vivo選別法を行い骨吸収型(HSC-2-OL)と骨形成型(HSC-2-BF)選択的骨転移株の樹立に成功したが選択的筋転移株の樹立はできなかった.(1)細胞増殖能はHSC-2,HSC-2-Mはほぼ同様で,HSC-2-OLはそれらより高い増殖能を,HSC-2-BFはより低い増殖能を示した.(2)各細胞株の培養上清(CM)を,マウス骨髄細胞に添加したところHSC-2-OLにおいてのみ破骨細胞形成を濃度依存性に促進した.(3)骨芽細胞様細胞株MC3T3 E1の増殖をHSC-2-OLのCMは抑制したが他では影響は無かった.(4)骨転移巣の組織学像ではHSC-2-BFは角化傾向の強い扁平上皮癌の周囲に新生骨稜の形成を認め,他の細胞株では活発な破骨細胞性骨吸収像を認めた.(5)BMP-2,4mRNAの発現はHSC-2-OLでは認めず,HSC-2-BF,HSC-2,HSC-2-Mで同様の発現を認めた.(6)PTHrP産生は予想に反してHSC-2-OLのみで蛋白ならびにmRNAレベルで抑制を認めた.(7)HSC-2,HSC-2-OL,HSC-2-BFの遺伝子変化をDifferantial Display法により検索したがHSC2とHSC-2-BFは類似した遺伝子発現を示し,HSC-2-OLでは異なった発現を示した.
|