研究課題/領域番号 |
09470497
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中畑 則道 東北大学, 薬学部, 助教授 (60045804)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | トロンボキサンA_2 / トロンボキサンA_2受容体 / トロンボキサンA_2受容体サブクラス / 細胞情報伝達 / G_q / G_<12> / ホスファチジルコリン / Mitogen-activated protein kinase / TXA_2 / TXA_2受容体 / TXA_2受容体サブタイプ / TXA_2受容体mRNA / TXA_2受容体抗体 / mitogen-activated protein kisanse |
研究概要 |
1989年我々はアストロサイト由来の細胞株である1321N1ヒトアストロサイトーマ細胞にトロンボキサンA_2(TXA_2)受容体が存在することをはじめて見い出し、その細胞情報伝達系について検討を加えたところ、百日咳毒素非感受性のG蛋白質であるG_qの介在、さらにホスホリパーゼC-β(PLC-β)によるCa^<2+>動員性セカンドメッセンジャーであるイノシトール三リン酸(IP_3)の生成を明らかにしてきた。アストロサイトに加えて血小板および血管のTXA_2受容体刺激による情報伝達の解析から、TXA_2受容体刺激によって活性化される情報伝達系にはG_q/PLC-β/IP_3/Ca^<2+>系以外の伝達系が作動していることを早くから提唱してきた。そこで本研究では、TXA_2受容体刺激による新しい情報伝達系を明らかにすべく、アストロサイトーマ細胞、血小板および血管の反応を比較検討した。その結果、TXA_2受容体はG_q以外にG_<12>と共役し、その刺激はジアシルグリセロールを生成するホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼCを活性化させるとともにmitogen-activated protein kinase(MAPK)を活性化することを明らかにした。なお、ヒトアストロサイトーマ細胞には、胎盤型および内皮細胞型の2つのTXA_2受容体のaltenative splicing産物mRNAが存在することもRT-PCR法で確認した。ジブチリルサイクリックAMPで分化させたアストロサイトーマ細胞においては、Gqを介するシグナルの減弱が認められたが、逆にMAPKが活性化されていることを見い出した。そのMAPKの上流にはホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼCが存在するものと推定される。以上のように本研究によってTXA_2受容体を介する新しい情報伝達系の一部が明らかにされた。
|