研究課題/領域番号 |
09470500
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40167987)
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研究分担者 |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20250219)
有田 誠 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (80292952)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | コレステロール / HDL / SR-BI / PDZドメイン / ビタミンE / 輸送蛋白質 / 肝臓 / 分泌 / 輸送タンパク質 / ABCトランスポーター / 小胞輸送 / 脂質ソーティング / 遺伝病 / 細胞内輸送 |
研究概要 |
SR-B1と呼ぱれる受容体は肝臓において、HDLからのコレステロールエステルの選択的取り込みと胆汁中への遊離型コレステロールの排泄に関与していることがこれまでの研究から明らかになっている。我々は、SR-B1の細胞質ドメインと特異的に結合する蛋白質を同定することにはじめて成功し、SR-B1の機能に対するこの蛋白質の役割を解析した。この蛋白質は、PDZドメインと呼ばれるモチーフを4つ持つ新規の蛋白質であり、SR-B1のC末端とこの蛋白質の一番N末端側のPDZドメインと結合していることがわかった。そこで、このSR-B1結合蛋白質をCLAMP(C-terminal linking and modulating protein)と名付けた。SR-B1およびCLAMPの肝臓内でのそれぞれの局在を調ぺたところ、SR-B1は肝細胞形質膜のうち胆管側、血管側両方に存在したのに対して、CLAMPは血管側形質膜にのみ存在していた。次にそれぞれの蛋白質をCHO細胞に発現させて、CLAMPの機能を解析した。その結果、CLAMPをSR-B1とともに発現させると、(1)SR-B1の発現量が増加すること、(2)SR-B1を介してHDLから取り込んだコレステロールエステルの脱エステル化が抑制されること、(3)SR-B1を介してHDLから取り込んだ蛍光性脂溶性分子であるDiIの細胞内での動きが変化することなどを見出した。 一方、ビタミンEの肝細胞内の動態についても解析を行った。ピタミンEはリポ蛋白質に結合して循環しているが、肝臓にリポ蛋白質とともに取り込まれたビタミンEは、その後、再ぴ肝臓が合成・分泌するリポ蛋白質(VLDL)に結合して再分泌される。この過程において、肝臓の細胞質に存在するαTTPという、蛋白質が重要な役割を果たしている。このαTTPを介したビタミンEの肝細胞内の輪送機構を培養肝細胞を用いて解析した。その結果、αTTPを発現させると、細胞内のビタミンEが積極的に細胞外に放出されるようになることがわかった。この放出は、VLDLの放出を薬物で止めても全く阻害されず、その代わりに、細胞外にあるHDLに直接受け渡されることが分かった。さらに、この受け渡しには肝細胞膜にあるABCトランスポーター様の蛋白質が関与していることも示峻された。さらに、ビタミンEの細胞外への放出に対する薬物の効果を検討したところ、コレステロール代謝系を制御することが知られている25-ハイドロキシコレステロールによって特異的に阻害されることを見出した。
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