研究課題/領域番号 |
09470503
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30303845)
南 雅文 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20243040)
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 麻薬性鎮痛薬 / オピオイド受容体 / 麻薬依存形成 / アデニル酸シクラーゼ / 過感受性 / Gタンパク質 / RGS4 / slow depolarization / 脱感作 / RGS / 可塑的神経機能変化 / 禁断症状 / Ca^<2+>チャネル |
研究概要 |
麻薬性鎮痛薬による依存形成・禁断症状発現に深く関与していることが示唆されているオピオイドアゴニスト持続的処置時のアデニル酸シクラーゼ(AC)系の過感受性形成の分子メカニズムについて検討した。クローン化オピオイド受容体を安定的に発現させたCHO細胞において、AC系の過感受性はアゴニスト持続的処置により、濃度依存的に比較的短時間(数分〜数時間)のうちに形成され、蛋白質合成阻害薬cycloheximideおよび各種プロテインキナーゼ阻害薬の処置によっても影響を受けなかった。また、AC系の過感受性形成寺にGTPase活性に変化は見られながった。さらに、Gα_<i2>とGα_qとの各種キメラG蛋白質αサブユニットを細胞に共発現させた検討から、その形成にはGα_<i2>のACとの連関に関与する領域の存在と機能的保持が必要であることを明らかにした。また、百日咳毒素非感受性Gα_2を介してもAC系の過感受性が形成されることを明らがにした。 クローン化オピオイド受容体を安定的に発現させたPC12細胞において、G蛋白質αサブユニットのGTPase活性を促進することで、G蛋白質質を介する情報伝達系を負に調節することが知られているRGS(Regulators of G-protein Signaling)4は、アゴニストを処置することにより2〜4時間をピークとし、そのmRNAの発現量が増加することを明らかにした。その増加は、アンタゴニストの処置により拮抗され、百日咳毒素の前処置により阻害された。 成熟ラット後根付き脊髄スライス標本を用いて、後根(C線維)の反復刺激により脊髄後角第II層ニューロンにおいて誘発されるslow depolarization(SD)について電気生理学的に検討した結果、SDはシナプス前性オピオイドμ受容体を介する抑制を受けること、ノルアドレナリン系は関与しないことが明らかとなった。さらに、SDはGABA神経系により、GABA_A及びGABA_B,両受容体を介する抑制を受けること、GABA_Bを介した抑制はシナプス前に存在する受容体を介したものであること、また、セロトニン神経系を介しても抑制を受け、主にシナプス前5-HT_<1A>受容体が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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