研究課題/領域番号 |
09470527
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岩尾 洋 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00137192)
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研究分担者 |
光山 勝慶 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10195414)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 臓器障害 / リモデリング / シグナル伝達 / アンジオテンシン / 細胞外基質 / MAPキナーゼ / 細胞内シグナル伝達 / 心肥大 |
研究概要 |
レニン・アンジオテンシン系が高血圧症の発症と維持に関与することは、数多く基礎的研究とアンジオテンシン変換酵素阻害薬の臨床結果から明らかとなってきている。近年、レニン・アンジオテンシン系の阻害により心血管系の臓器障害がある程度防ぐことが出来ることが示されてきた。しかし、臓器障害の予防作用の分子機構に関しては明らかではない。 臓器障害は、臓器細胞が正常範囲を越える物理的あるいは生体内生理活性物質の過度の刺激を受け、細胞増殖や細胞の幼若化などの形質変換を起こし、その結果として再構築(リモデリング)することである。そこで、心筋細胞、血管平滑筋細胞、腎メサンギウム細胞の増殖性変化と形質変換の成立機序に関わる細胞内シグナル伝達機構を分子生物学的手法を用いて解明した。特に、病態との関連が重要であることは当然であり、従来までの培養細胞のin vitroの実験系ではなく、個体レベルでのin vivoの系(アンジオテンシンII注入モデル、自然発症高血圧ラット、血管内膜剥離モデル)にて解析した。これらのモデル動物の大動脈や心臓でアンジオテンシン受容体が活性化され、細胞内シグナル伝達系を賦活し、MAPキナーゼファミリーに属するextracellular signal-regulated kinase(ERK)、c-jun amino-terminal kinase(JNK)を介するシグナル伝達が活性化される。さらに、EGF受容体系とのクロストークが役割の一部を担っていることが分かった。MAPキナーゼファミリー活性化は、c-junとc-fosを活性化しAP-1複合体(ERKとJNKにより活性化される転写因子)を活性化することにより、増殖因子のTGF-βや細胞外基質遺伝子の発現を増加して細胞増殖や形質変換を起こす。この様な分子機構によりリモデリングが生じ、臓器障害に至ると考えられる。
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