研究課題/領域番号 |
09470530
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
|
研究機関 | 愛媛県立医療技術短期大学 |
研究代表者 |
岡田 真理子 愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (60111118)
|
研究分担者 |
櫃本 泰雄 愛媛大学, 医学部・付属病院, 助手 (90136333)
富永 彬生 愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助手 (90036450)
佐川 輝高 愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助手 (90162320)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
|
キーワード | 血小板依存性癌細胞傷害反応 / Ca^<2+>シグナリング / 細胞内Ca^<2+>濃度 / thapsigargin / Ca^<2+>貯蔵部 / ACAS laser cytometry / flow cytometry / 血小板 / 細胞傷害反応 / Fluo-3 / Calcium Green / Fura Red / 細胞内Ca^<2+> / レーザーサイトメーター / flow cytometer / propidium iodide |
研究概要 |
本研究は血小板と癌細胞との反応に伴い標的癌細胞内でCa^<2+>濃度変化が起きるのか、もし起きるとするとCa^<2+>濃度変化が細胞傷害とどのようにかかわっているのかを知ることを目的として行った。細胞傷害活性の程度は標的細胞のbelb形成を形態学的観察により測定する方法とpropidium iodide染色後flow cytometryにて死細胞を測定する方法を用いて評価した。血小板刺激による標的細胞内Ca^<2+>濃度変化の測定はCa^<2+>インディケーターを負荷した標的細胞を用い、標的細胞を付着させた状態ではACAS laser cytometry、浮遊状態ではflow cytometryにて行った。ACAS laser cytometryの結果、調べた3種類の癌細胞株(血小板感受性株K562,LU99A、非感受性株Molt4)のすべてにおいて血小板刺激後に細胞内貯蔵部よりCa^<2+>が遊離し細胞内Ca^<2+>濃度が上昇した。さらに、細胞傷害活性のない活性化血小板上清の刺激でも上昇した。flow cytometryの結果からも活性化血小板上清による刺激で反応直後に標的細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、細胞傷害活性のある活性化血小板沈渣では反応初期のCa^<2+>濃度の上昇が認められないことが判った。したがって、血小板との反応直後に認められる標的細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が必ずしも標的細胞のblee形成や色素排除能の消失という細胞傷害を引き起す条件として必要十分ではないことが明らかとなった。 thapsigarginは小胞体膜Ca^<2+>-ATPaseを特異的に阻害し、小胞体内に貯蔵されているCa^<2+>を細胞質に放出させ小胞体中のCa^<2+>を枯渇させる作用を持つが、thapsigarginで標的細胞をあらかじめ処理すると、K562細胞では血小板に対する感受性には影響が認められなかったが、LU99A細胞では感受性に低下が認められbelb形成の程度が抑えられたが、逆にMolt4細胞では感受性の増加が認めら、belbの形成が増強された。従って、標的細胞によっては傷害反応に伴うbelb形成が小胞体に貯蔵されたCa^<2+>こより制御されている可能性のあることが示唆された。
|